りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

池袋演芸場 3月下席昼の部 池袋演芸場3月下席 昼の部 落語協会新作台本まつり

3/27(金)、池袋演芸場 3月下席昼の部に行ってきた。
吉窓師匠、きく麿師匠、はん治師匠と好きな師匠がそろい踏みで、さらにトリが白酒師匠で新作と聞けば、行かないわけにはいかない。
仕事がちょうど暇なのをいいことに二週連続の落語休暇。しっぺ返しが来そうで怖いけどそれはそれ。
行ける時に行っておかないと!

・花どん「金明竹
・丈二「1パーミルの恋人」
・清麿「某私鉄駅長会議」
・吉窓「?」
ホンキートンク 漫才
・きく麿「スナックヒヤシンス」
・はん治「君よモーツァルトを聴け!」
〜仲入り〜
・馬るこ「新一目上がり」
・小ゑん「長い夜」
・ダーク広和 マジック
・白酒「うちに来ないで!」

丈二師匠「1パーミルの恋人」
「ここに来るといつも思うんですけど、客席明るすぎませんか?噺家の中には客席が明るいほうがいいっていう人と暗い方がいいっていう人がいますけど、僕は後者です。ガラスのハートなのでお客さんの表情が見えるとドキドキしちゃうんです」
「日本人が占いで好きなのが血液型。血液型で一番悪く言われるのがAB型。変わり者とか二重人格とか何考えてるかわからないとか。数も少ないので言われやすいんでしょうか。ちなみに私はAB型です」
そんなまくらから「1パーミルの恋人」。
結婚を許してもらおうと恋人の家を訪ねたノボルくん。恋人の父親は血液型占いに凝っていてAB型が大嫌い。AB型のノボルくんはAB型であることをどうにか隠し通そうとするのだが…。
わかりやすくて面白い新作。楽しかった。

清麿師匠「某私鉄駅長会議」
前に末廣亭で見たときはあまりピンとこなかった清麿師匠。わりと声が小さめなので末廣亭だとちょっと聞きづらかったんだけど、池袋だと狭くてちょうどいいんだな。
面白い!なんか独特の雰囲気と独自の世界観があって楽しい。
いかにもどこかの会社の部長さんげな清麿師匠がこの噺にとてもマッチしていておかしくてしょうがない。
すごい笑った。

吉窓師匠「?」
下戸の若旦那が酒乱のくまさんにお酒を教えてもらいに行くという噺。
くまさんがどんどん飲んで酔っ払っていくのが楽しい。

ホンキートンク 漫才
落語協会で一番好きな漫才師。
としさんのボケが好きすぎる!
もっとホンキートンクを出してほしいなぁ。

きく麿師匠「スナックヒヤシンス」
わーい、きく麿師匠!
場末のスナックでお客の悪口を言うママとホステスの会話が楽しすぎる。
肩と腰を揺らす変なアクションもおかしいし、嫌われ者のお客の十八番「恋の坂道発進」のいかにもありそうな昭和歌謡テイストもたまらない。
好き好き。

はん治師匠「君よモーツァルトを聴け!」
わーい、はん治師匠!
前から聞きたかった「君よモーツァルトを聴け!」でうれしい!
お世話になったお医者さんのところにお礼の魚を持って訪ねていく魚屋さん。
先生が音楽を聴くのが趣味と聞いて、自分は北島三郎が好きだと歌って見せるのがしみじみうまくておかしい。
先生の説明をいちいち聞き間違えて、家で披露するときも1割ぐらいしか合ってなくて、それがなんともバカバカしくてハッピー。
好きだー。

馬るこさん「新一目上がり」」
どちらかというと苦手なタイプの噺家さんだけど(グイグイ押す系)、長渕剛のまくらもおかしいし、全く新しい「ひと目上がり」に大笑い。
こういう改作、好きだ。

小ゑん師匠「長い夜」
録音録画はいけませんと言うけど性懲りもなく録る人がいる。私は電気屋の倅だからすぐにわかるんです。だいたい録音する人は2列目ぐらいに座っててね、噺家が出て来るときにカバンの中に手を入れてスイッチを入れてね、帰るときにスイッチを切るのがね。その手つきだけでどこのメーカーのICレコーダーかもわかりますから。
この間もそういうお客さんがいてね、注意したんです。そうしたら「とってないです」って言い張るんです。 「いやいや、私が今出てきた時カバンに手を入れてスイッチ入れたでしょ。見えましたよ。」そう言うと「いいえ、出てきたからスイッチを切ったんです」「おいっ!」

新作落語の台本を見ると擬人化が多いですね。もう擬人化は古いですよ。だいたいなんかの動物になったりね、小さいよねスケールが。
私はスケールの大きな噺をしますと空と大地が会話をする「長い夜」。
小ゑん師匠には苦手意識があったんだけど(ちょっと怖い…)、噺も面白かった〜。

白酒師匠「うちに来ないで!」
池袋西口のビッグカメラの店員をディスったあとに「うちに来ないで!」。
怖がりの稲川くんが先輩に相談があるとやってきて、家に毎晩幽霊がやってきて怖いと言う。
何バカバカしいこと言ってるんだとあきれる先輩だが、「あれは本物」「しかも人違い」と言い張る稲川くん。
仕方なく先輩が家に行ってみると、確かに「うらめしや〜」と幽霊が出てくる。
今時そんな怖がらせ方があるか!飛び出した先輩に幽霊は「私の話を聞いてください」と語りだす…。

最初の方は面白いんだけど後半がちょっともにょもにょ…。
でも白酒師匠は新作も面白くできるんだねぇ。さすがだなぁ。

新作尽くしの寄席はちょっと疲れるかなぁと思っていたんだけど、とても面白くて楽しくて大満足。