りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

柳家甚語楼の会

10/14(日)、お江戸日本橋亭で行われた「柳家甚語楼の会」に行ってきた。


・市若「出来心」
・甚語楼「高砂や」
・ほたる「居酒屋」
・甚語楼「茶金」
~仲入り~
・甚語楼「笠碁」


甚語楼師匠「高砂や」
この仕事をしていると、3年に一人ぐらいの割合でいきなり現れます。熱烈なファンという方が。
突然現れるんです。そしてどんな会にも来てくれる。地方の小さな会にも「ここまで来ちゃいました!」と言って現れる。そして毎度毎度楽屋に手土産を持ってきてくれる。そんなことしなくていいですよと言っても毎回持ってくる。
そのうち見に行くだけじゃ飽き足らなくなるんでしょうか。自分の地元とか実家のあるところとかで会をやろうと思いますが出て頂けますか、と仕事まで下さったりする。
でもふと気が付くと…あれ?あの人来なくなった?と気づく。これがちょうど3年ぐらいの周期なんです。
正直、そこまでしてもらっても我々そんなにうれしくないです。そういうことに慣れてないからどうしていいかわからないんです。
それよりもこうして黙ってきてくださる。来ても何もくださらない。だけどこうして何年も来て下さる。それがなによりありがたいです。だからみなさんも何も持ってこなかったからって卑下することはありません。

…ああ…とても痛いお言葉…。
私は毎回楽屋見舞いを持って行ったり会を主催したり地方まで追っかけたりはしてないけど、大好きな師匠を追いかけるように寄席に通い、人伝に聞いた秘密の会にも伺い、誕生日プレゼントを贈り、師匠に嫌われてしまった経験が…。
好きだからといって通いすぎたり、プレゼントしたりするのは良くないんだなということを痛感。
ぶっちゃけて話してくれてありがとう…甚語楼師匠…感謝。でも痛かった…。本当のことって痛いんだね(涙)。でもきっと来なくなった人の中には、師匠への熱が冷めたせいじゃなく師匠に嫌われてると気づいたからという人もいるんじゃないかな。

そんなまくらから「高砂や」。
この噺がこんなにおもしろいってもう甚語楼師匠最高でしょう!
大家さんとはっつぁんの会話が楽しすぎて、一つ一つのやりとり全部に笑ってしまう。
大家さんの奥さんのことを「古い」と言い放ったはっつぁん。この古い、ばばあ、だけでめちゃくちゃおかしい。
テンポの良さと表情の豊かさと間の良さでほんとに楽しいんだよなぁ。すばらしい。


ほたるさん「居酒屋」
楽しかった!小僧さんがかわいいし、酔っぱらいのめんどくささも許容範囲(笑)。うざいけど、めんどくさくなる一歩手前で引くところがよい。
よかった。


甚語楼師匠「茶金」
これがまたよかった。
こういうお話っぽい落語もきちんと…そしてちゃんと笑いどころもたくさん作って…でもそれが全然邪魔にならない、甚語楼師匠の落語って最高ー。

甚語楼師匠「笠碁」
大好きな噺。
二人のご隠居のチャーミングなこと。
片方は強情、もう片方は我がまま。大喧嘩をしたけど子どもの頃からの友だちでもう近所に残ってる同級生はいなくて…。
二人の友情とへぼな碁でも勝ちたくて一生懸命やってる様子が伝わってきて、楽しかった~。
仲直りのシーンでは涙が出てきた。ああ、仲直りできてよかったーと思って。

まくらも含めて三席ともとても楽しかった。甚語楼師匠、ほんとに面白い!