りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

池袋演芸場10月中席夜の部

10/12(金)、池袋演芸場10月中席夜の部に行ってきた。
里光師匠、初トリ!嬉しい!


宮田陽・昇 漫才
・小助六宮戸川(上)」
・笑遊「くしゃみ講釈」
東京ボーイズ 歌謡漫談
・里光「木津の勘助」


助六師匠「宮戸川(上)」
学校寄席のまくら。休憩のたびに霧吹きで先生が子供たちに水を撒く図を思い浮かべるといつも笑ってしまう。
そして学校寄席の時は持ち時間が1時間でしたが、こちらの持ち時間は18分です。
あとおかしかったのは「落語って知ってる?」と保育園児に聞くと「知ってるー」。
へぇー意外!と思いながら「落語にはいろんなお話があって、面白い滑稽噺」「知ってるー」。
そこまで話して気が付いた。そうかこれぐらいの小さい子ってなんでも「知ってる」って言うんだ!
このまくらもすごくおかしかった。

助六師匠の「宮戸川」初めて聴いた!というか小助六師匠が珍しくない噺をするとそっちが珍しくて驚いてしまう。
お花さんに冷たい半ちゃんが小助六師匠に重なって見えておかしい。そしてまくらで話していた持ち時間がサゲにつながる面白さ。
楽しかった。


笑遊師匠「くしゃみ講釈」
あまり笑わないこの日のお客さんを「いいねぇ。こういうお客さん。やりがいがある」とか「私は粛々と落語をやって帰るだけ」と言いながら「これからくしゃみ講釈という落語をやります。これは権太楼師匠に教わった大好きな噺で…」って…こういう始まり方も珍しくて笑ってしまう。

時間の都合か、覗きからくりを語るところがなかったのは残念だったけど、ハイテンションで楽しい!
講釈の部分がたっぷりでそれが野次るのを忘れて聞き入ってる主人公と重なって面白い。しかも「ほら言えよ」と兄貴分に言われて「あ、ああ。…大丈夫ですか?」に笑う。 


里光師匠「木津の勘助」
上方落語江戸落語の違いについてのまくら。
江戸弁もそうだけど、上方落語で使われる大阪弁も実は独特で関西弁ならなんでもOKというわけではないということを聞いて、目から鱗。そうだったのか。あーでも確かに上方落語を聞いていて耳に心地いい関西弁とそうじゃないのがあるかも。私の中で聴きやすいの最高峰は米朝師匠だなぁ。あれが正しい上方落語大阪弁

「初めてのトリで正直緊張してます」と言いながら、「木津の勘助」。初めて聴く噺。
後で調べたら鶴光師匠がかけられてる噺だった。

材木問屋を営んでいる淀屋十兵衛は、淀橋を自費で作らせるぐらいのお金持ち。そこへある日みすぼらしい身なりをした若い男が訪ねてくる。「十兵衛に会わせろ」と言うその男をあからさまにバカにして適当にあしらおうとする番頭と言い争いをしていると、そこへ十兵衛が現れる。
十兵衛が訳を尋ねてみると、どうやら墓参りの時に隣の小さな墓にひょいと置いた袱紗、中には二十両と印が入っていてそこに「淀屋十兵衛」と書いてある、それでここまで持ってきた、という。
それは御親切に…と十兵衛がお礼に十両を渡そうとすると「これだから金持ちは嫌や」と怒り出す男。
男は、十兵衛が袱紗をひょいと置いた小さな墓がうちの墓や。どんなにみすぼらしくたってうちにとったら大事な墓。それをみすぼらしいからって物置きにするとは何事や、と言う。
それを聞いて十兵衛が「それは大変申し訳ないことをしました」と言って頭を下げるとその男、「さすがこれほどの身代を築いたお方や」と急に態度を軟化させ、自分は木津に住んでいる勘助と名乗り、近くに来たらお茶でも飲みに寄ってくれと言って帰って行く。

それから十兵衛は勘助の家を訪ね、付き合いが始まる。
勘助は貧しいけれどものすごい物知りで知らないことがない。それで十兵衛もなにかと頼りにして相談をしたりと家を行き来して親しく付き合うようになる。
そうこうしているうちに、十兵衛の娘のお直が勘助に恋煩いするようになり、それを聞いた十兵衛は大喜びでお直を勘助の嫁にやる。

お嬢様育ちのお直だったが勘助と暮らすうちに、お百姓のお嫁さんとしての仕事をきちんとこなすようになる。
そうこうしているとある日勘助が世話になった男が米相場で財産を失ったと聞いて真っ青な顔をして帰ってくる。それを聞いたお直は嫁に来るときに実家からもらった金があると言って差し出す。
お金を持たずに生きてきて金持ちをバカにしていた勘助が、知り合いが一文無しになったと聞いてお金があれば助けてやれるのに…と言うと、女房のお直がぽんとお金を差し出し、それを受け取り、さらにその金で大事業を始める、というのも面白い。

上方落語にはこういうどうとらえたらいいのかわからない噺があるなぁ。上方落語の人情噺なのかな。

面白かった!