りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

朝の九時落語

10/13(土)、UNA galleryで行われた「朝の九時落語」に行ってきた。


・さん助「親子酒」
・さん助「目黒のさんま」


さん助師匠「親子酒」
弟弟子の小んぶさんとお寺の落語会の仕事に行った、というさん助師匠。
真打ちになってからこんな風に弟弟子と一緒に仕事という機会も減ったので久しぶりに聴いてみようと思って袖で小んぶさんの落語を聞いていたら、小んぶさん「時そば」をたっぷり30分。そばを食べるところを非常にくさくやっていたらしく、もう汗だく。
でも自分もそういえば二ツ目の時は汗かいて一生懸命やってたなぁと思い出し、やっぱり自分もその気持ちを忘れずに頑張らなきゃと思った、と。

そんなまくらから「親子酒」。
さん助師匠の「親子酒」って初めて聴くし、なんか意外!

息子と禁酒の約束をするシーンはなく、おかみさんに酒をねだるところから。
この大旦那、息子と禁酒の約束をした次の日にもう酒をねだっちゃってる。
そしておかみさんにそのことを指摘されると「あれは私と倅との約束。お前さんとの間の約束じゃない」と屁理屈。
また一杯だけと飲んだのに、さっさと二杯目を要求し、おかみさんが「一杯だけの約束」と言うと、「あれは私の一杯。今度はお前からの一杯」とまたわけのわからない屁理屈。

でもなによりもおかしかったのが、帰ってきた息子がべろんべろんで大旦那もべろんべろん。二人が嬌声を上げてなんか言ってるんだけど、それが全く何を言ってるのかわからない!
それがもうクレイジーすぎて大笑い。
そしてこれがさん助師匠がまくらで言ってた「ニツ目の頃の全力でやる落語」なのかと思うと、それもまたばかばかしくておかしい。
聞き飽きた噺もこんなにおもしろいか、さん助師匠。笑った笑った。


さん助師匠「目黒のさんま」
ここに出てくるお殿様が松江から江戸へ参勤交代で来ているお殿様、と紹介があったのは初めて。
そしてこのお殿様、自分から目黒へ野がけに行こうと家来を誘い、馬に乗って走り出す。また馬がなければ自分の足で走らなければならないと言って家来と駆け比べをするのだが、そこで八百長なしで勝つ。
お殿様が昼食にしようと言うと、後から届ける手はずになっているがまだ届いてない、との返事。
それで待っているのだがそこでさんまの匂いがしてきて、家来が譲ってもらいに行くのだが、家来のエラそうな物言いが気に食わないとお百姓は渡してくれない。
そこへ殿が直々に行って「ご馳走してはくれないか」と頭を下げると、百姓は感心して「それならば喜んで」とさんまを8匹くれる。

殿は一人で全部平らげ城へ帰り、何日かしてから「またさんまが食いたい」「あの時は自分一人で食べて心苦しかった」と言い、さんまを買い占めてきて自分の城で七輪で焼いてみんなでうまいうまいと食べる。

江戸城へ上がった折に、仲良くしている他の殿様にさんまのことを自慢し、その殿様がそんなにうまいものならと房州から取り寄せるのだが、料理人がこれを蒸して骨を抜いてぐずぐずになったものを出したので、この殿様は「さんまとはたいしてうまくないではないか」と思い、次の日これを告げて「そのさんまはどこで求めた?」という展開。

…他の人がやらない形をまた探してきましたね…?
なんかオーソドックスな形の方が面白いような気がしないでもないけど、立派なお殿様でそれはそれで気持ちがいい。さんま食べたくなった!


そしてこの日はさん助師匠の「雑排」がラジオ「真打競演」で流れるということで、お客さんみんなでラジオを聞こうという素敵企画。
よくさん助師匠が承知したなぁと思っていたら、やはり「考えてみたらこれは相当恥ずかしい…」と一番後ろの席へ。
高座にラジオを置いて、ご本人は一番後ろの席にお隠れになり、みんなで前を向いてラジオに耳を傾けるという、かなりシュールな図。
私もそれは一緒に聞いてるこちらも恥ずかしいのでは…と思っていたんだけど、なんか楽しかった。みんなで拍手して面白いところはあはは!と笑って。


地元の方を対象にひっそりやってる会とのことだったけど、twitterで告知してくれたおかげで行くことができてうれしかったな…。
また行ってもいいのかな…。
こうやってブログに書いてよかったのかな…。