りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

池袋演芸場8月上席昼の部

8/5(土)、池袋演芸場8月上席昼の部に行ってきた。
8月上席の小三治師匠のトリの芝居はいつも大変な行列。今週は夏風邪を引いてちょっとダウンしていたので、あのしのぎを削る感じは辛いなぁと思いながらも、せっかく前売りも買っているし、この日を逃すともう行ける日はないし、と2時間並ぶ覚悟で出かける。
10時ちょっとすぎに着くとすでに20人ぐらい並んでいてくらっときたけれど、11時ちょっと前ぐらいに前売りを持ってる人は階段に移動させてもらえたので、ほっ。


・小ごと「道灌」
・小かじ「馬大家」
・三之助「替り目」
・小円歌 三味線漫談
・菊生「シンデレラ伝説」
・燕路「だくだく」
・ジキジキ 音曲漫才
・市馬「高砂や」
・伯楽「宮戸川(上)」
・紋之助 曲独楽
・左龍「お菊の皿
~仲入り~
木久蔵「後生鰻」
・小団治「ぜんざい公社」
・アサダ二世 マジック
小三治「馬の田楽」


小ごとさん「道灌」
一琴師匠のお弟子さん。コワモテで眉毛の間に一本線が入ってるんだけど、口元はとってもにこやかでかわいい。前座さんらしい素直な落語。


小かじさん「馬大家」
小三治師匠トリの芝居に出られる嬉しさがにじみ出てる。
そして前座時代のつまらなそうな感じとはうってかわって…確かに三三師匠のお弟子さんなんだなぁという感じがすごく出てる。なんだろう。はずさない感じ。


小円歌先生 三味線漫談
もう最初から最後まですかっと気持ち良くて明るくて楽しくて華やかで…大勢の立ち見のお客さんにも心を配って、あの場にいたお客さんがみんなほっとして笑顔になったのを感じた。すてき。


菊生師匠「シンデレラ伝説」
うわ、菊生師匠も「シンデレラ伝説」やるんだ?!びっくり!すごいな、白鳥師匠。
面白かった。


燕路師匠「だくだく」
この雰囲気の中で「だくだく」をやる燕路師匠が好きだなー。

市馬師匠「高砂や」
高砂や」珍しい!
市馬師匠のいい声で下手に歌われるのがまた面白い。楽しかった。


木久蔵師匠「後生鰻」
人間国宝トリの芝居でこんなに深い位置で使っていただいて、自分で言うのもなんですが今ではご立派」。
漫談だけじゃなくて「後生鰻」やってくれたのはうれしかったけど、でもこの噺の面白さがあまり伝わってこなかったかなー。


アサダ二世先生
ついにマジックをやらずに漫談だけで下がった。うひょー。(これは許せる落語ファン)


小三治師匠「馬の田楽」
9月の会が小三治師匠の入院で2つ中止になって心配したのだけれど、こうして寄席に出ているということは、急病ではなく何か手術とか検査とかなのかな。
相変わらずお茶を飲むときには手が曲がらないようだったからそっちの方なのか、それとも持病の方なのか。わからないけど、とりあえず元気な姿を見ることができて、ほっとした。
立ち見でぎゅうぎゅうの客席を見まわして「こんなに大勢いらしていただいて…早い時間から並んでいただいたんでしょう?ありがとうございます」と頭を下げる小三治師匠にじーん…。
ちょっとまくらが長くなりそうになりつつ、最初から噺を決めてきたようで「馬の田楽」。

峠を越えてきて疲れた馬と馬方がとっとと荷を渡してほっとしたいのに、呑気な主は呼んでも出てこない。
仕方なく中に入って座るとその木が疲れを吸い込んでいくようで天井が高くて涼しい風が流れてきて思わずちょっとうとうと…。
小三治師匠の「馬の田楽」を聞くと夏の暑い田舎の風景や、ここの家の様子が目に浮かんでくる。
そして口が悪い馬方の親方が馬を想う気持ちが伝わってくる。

私が好きなのは馬を探している時に出会う、言葉がうまく出てこない人。このおかしさは他の人には出せないよなぁ。
小三治師匠の落語の世界にどっぷり浸れて楽しかった。