りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

破局

破局 (異色作家短篇集)

破局 (異色作家短篇集)

★★★★

事件はいつも、予期しないときに襲ってくる。それはそっと忍び寄り、背後でじっと待ち構えている…。ヒッチコックが映画化した「レベッカ」「鳥」で知られる著者が人生の断面を鋭く抉る6つの物語。

久しぶりにこの手の(どの手?え、ええと、ミステリーというかサスペンスというか奇想というか…)短編を読んだ。 一時期こういう短編を読みすぎて飽きてしまって「よっぽどじゃなかったらもうなんともおもわないわ」という状態に陥ってしまったことがあったんだけど、それからしばらく避けてきたせいか?あるいは、これがたまたま私の好みだったからか?、とても面白く読めた。

ものすごくショッキングとかドラマティックというわけではないんだけど、ひたひたと忍び寄る悪意とか人間のたがが外れる瞬間とか罠に落ちていく恐怖とか、そういうのが実にうまく描かれていると思った。