ひとり日和
- 作者: 青山七恵
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2007/02/16
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 79回
- この商品を含むブログ (171件) を見る
人っていやね......人は去っていくからね。
20歳の知寿が居候することになったのは、 母の知り合いである71歳・吟子さんの家。
駅のホームが見える小さな平屋で暮らし始めた私は、キオスクで働き、恋をし、吟子さんとホースケさんの恋にあてられ、少しずつ成長していく。
選考委員が絶賛した第136回芥川賞受賞作。
なんてことのない話なんだけど、結構好きだったな。
これが若さというものなのかもしれないけれど、共感できたし、後味も爽やかだった。
例えば、おばあさんのことを見ながら「あれほど歳をとってしまったら、もう大雑把な感情しか持っていないのだろうな」と思ったり。
いっぱしの人間としていっぱしの人生を生きてみたい、と思ったり。
できるだけ皮膚を厚くして、何があっても耐えていける人間になりたい、と思ったり。
そういう感情を「若いなぁ」とちょっと笑いながら、「歳をとったからって大人になれるわけじゃないんだよ」とつぶやいている自分がいる。