りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

失われた地平線

 

失われた地平線 (河出文庫)

失われた地平線 (河出文庫)

 

 ★★★★★

正体不明の男に乗っ取られた飛行機は、ヒマラヤ山脈のさらに奥地に不時着した。偶然通りかかった謎の集団が導く先には、西洋の技術文明と東洋古来の精神文化が組み合わさった不老不死の楽園があった。世界中で読み継がれ、2度も映画化された冒険小説の名作が、美しい訳文で待望の復刊! 

正体不明の男に乗っ取られた飛行機はヒマラヤ山脈の奥地に不時着。通りかかった集団に導かれて僧院に身を寄せるのだがそこは「蒼い月」が照らす世界…。

主人公のコンウェイがしなやかな精神の持ち主で魅力的。戦争で厭世的になっていたコンウェイが徐々にこの地に馴染んでいくのが羨ましいような恐ろしいような…冒頭である程度の想像はつくのだが、この構成も実に見事で物語の吸引力がすごい。

人間の幸せとは何かということを考えさせられるし、理性的な人間も「こんなこと」で動いてしまうことがある、というのも分かるなぁ。とても面白かった!
そして訳文がすごく良かった。時代を感じさせないなぁと思っていたら、新訳だった。なるほど。