りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

雷門小助六・一龍斎貞寿二人会

3/25(水)、道楽亭で行われた「雷門小助六一龍斎貞寿二人会」に行ってきた。
※入り口でアルコール消毒、マスクを持っていない人にはマスクが配られ、席は一人おきに座る。

・小助六・貞寿 トーク
・小助六「猫退治」
・貞寿「祐天吉松 飛鳥山親子の出会い」
~仲入り~
・貞寿「鼓が滝」貞寿
・小助六木乃伊取り」

 

助六師匠・貞寿先生 トーク
毎月やってる会の後、毎回ラストオーダーまで飲むという二人。
今日も早めに着いたので二人で新宿御苑に行きお花見をして話をしてきたから、いまさら話すこともなにもない、と。
仕事がなくなっても寄席の出番をいただいていて高座に上がったり楽屋で仲間とおしゃべりをできるからありがたい、と小助六師匠。
家にいることが増えてお昼ご飯もほとんど自分が作っていておかあさんからは喜ばれていると貞寿先生。
そんな二人は何時から飲み始めても結局閉店までいてしまうらしく、あのラストオーダーという制度はほんとにありがたい、と。あれがなかったら明け方まで飲んでしまい、さらに大変なことになる、と。
助六師匠によると貞寿先生は3度に1度は泣く、と。泣き始めると「そろそろ帰る頃合いだな」と思うらしい。
「そろそろ貞寿さんが泣き出すといけないのでこれぐらいでトークは終了」と小助六師匠が言うと「きれいにまとめちゃって嫌な感じーーー」と貞寿先生。
「あたしは寄席に出る時も時間きっちりっていうところに一番重きを置いてる。うけてもうけなくてもいいんです。時間きっちりっていうが私の美学」。

…この二人のコンビネーション、楽しい~。笑った笑った。

 

助六師匠「猫退治」
家で猫を飼っていて猫好きとして有名な小助六師匠。
「私は猫が好きなわけじゃないんです。うちの子たちが好きなだけで」に、なんかにやり。
その気持ち、わかるー。でもきっと猫のこともすきなんだと思う(笑)。

家の猫ちゃんへの愚痴?惚気のまくらから「猫退治」。
あれ?どこかで聞いたことがあったっけ?とおもったら、やはり小助六師匠で聴いていたんだった。
https://mritu47.hatenablog.com/entry/2017/10/25/%E3%82%AE%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%83%AA%E3%83%BC%E5%B0%8F%E5%8A%A9%E5%85%AD_%EF%BD%9E%E9%9B%B7%E9%96%80%E5%B0%8F%E5%8A%A9%E5%85%AD%E7%8B%AC%E6%BC%94%E4%BC%9A

こういう珍しい噺をたくさん持ってる小助六師匠。だから好きなんだ。

ちょっと不気味だけど全体的にはバカバカしくて落語らしくて楽しい。
集められた店の若い連中が「化け猫退治」と聞いて急に腰が引ける様子もおかしいし、猫が飛び出してきたときの番頭の反応もおかしかった。

 

貞寿先生「祐天吉松 飛鳥山親子の出会い」
初めて聴く話。
もとは巾着切りをしていた祐天吉松。加賀屋吉兵衛の娘おぬいという女と恋仲になり所帯を持ち、七松という息子も生まれる。
吉松は家業を手伝い幸せに暮らしていたが、昔の悪仲間・金五郎が強請に何度も店に来るようになり、ある時吉松は金五郎と決闘するが破れてしまう。
金五郎を倒すために吉松は家を離れ剣術の修行に出る。
何年かして戻ると、吉松がいなくなった腹いせに金五郎は吉兵衛を殺し、加賀家に火を放っていた。
その時に家を逃げ出した妻のおぬいと七松は行方知れずになってしまっていた。

吉松は新しく女房を持ち、家を構える。
ある時、花見にでも行ってくるように女房に勧められた吉松は十両を懐に入れ飛鳥山に花見に行く。
花見を楽しんでいると、かわらけ売りの子どもたちが一人の子を囲んで殴ったり蹴ったりしているところへ出くわす。
吉松が割って入ると、やられている子はここでかわらけ売りを始めたのだが、親分への付け届けも仲間金も払っていないのだと言う。
それを聞いた吉松が代わりに金を払ってやり、その子を連れて茶店へ行き、茹で卵をごちそうしてやる。
子どもが手に持った茹で卵を袖に入れたことを吉松が見つけて叱ると、子どもは自分の母親が長患いでひもじい思いをしているから持って行ってやりたいのだ、という。

何か事情がありそうだと察した吉松が話を聞いてみると、なんとこの子がいなくなった自分の子どもで、妻のおぬいが病気になり貧窮していることを知る。
吉松は懐に入れてあった十両を子どもに渡し、名前も名乗らず去っていく…。

祐天吉松ってなんか聞き覚えがある…と思っていたら、「伝承芸能の会」で琴柳先生が連続でやっている話だった!
吉松のかっこよさと子どものかわいらしさ。面白かった。

 

助六師匠「木乃伊取り」

真面目一本の飯炊きの清三が、若旦那が帰ってくれると聞いてほっとして、酒を飲むほどにほぐれていくのが楽しい。
初めてかけられた甘い言葉にとろけて照れるのもかわいらしくてチャーミング。
テンポがよくて、楽しい「木乃伊取り」だった。