りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

さん助の楽屋半帖

2/17(月)、駒込落語会で行われた「さん助の楽屋半帖」に行ってきた。
始まる前にさん助師匠自作のプリントとかわいい駄菓子の番付表が配られて、???と思ったら、前回かけた「猫の皿」に駄菓子の名前が出て来たんだけど、落語の中に出てくる駄菓子の名前とそれがどういうものなのかをさん助師匠が解説。主催の方がそこに名前が挙がった駄菓子を買ってきてくださっていて、それをみんなで食べるという不思議な時間(笑)。
「これが狸の糞」「で、でかい…実際もこんなに…?」などと語りながらもぐもぐ。
シュールで面白かった。
 
・さん助「これは全てフィクションです」(「釣り堀」「都市伝説」「お子様ランチ」)
・さん助「鮫講釈」
・さん助「死神」
 
さん助師匠「これは全てフィクションです」(「釣り堀」「都市伝説」「お子様ランチ」)
「ねぇ、燕弥くん、聞いたことある?駒込の釣り堀の話(ぱちぱち!)」
「え、なに、兄さん?」
「いやかなり昔に駒込に落語会をやってる会場があったんだけど、そこが今は取り壊されて釣り堀になったんだよね」
「あ、なんか聞いたことあるよ。なんでも夜になると…」
「そう。夜になるとなんか不気味が声がして足を引っ張られるっていう…」
「なんでも噺家の怨念じゃないかっていう…都市伝説があるんでしょ」(ぱちぱち!)
「ちょっと行ってみない?」
「行ってみようか」
 
というわけで、二人は駒込の釣り堀へ。
入り口で声をかけるとそこにいたおばあさんがどうやらこの会の主催者の方の30年後…(ちょっと表現に悪意が…)。
5千円払って中に入り、さっそく釣り堀に竿を投げ入れる二人。
すると…なにか激しく引っ張るものが。魚だと思って喜んで吊り上げるとそれは噺家の情念(?)で…(さん助師匠、楽屋に置いてあったネタ帳をぱらぱらやりながら)…「あっこれは!三木男くん!え?なになに?ああ、”お見立て”か。なに?お見立てを1時間やったけどちっともウケなかった?」
次にかかったのが喬志郎!「え?なに?主催者の希望で〇〇をやらさせた?…地獄だな、そりゃ!」
…そんな調子で次々吊り上げられていく噺家の情念。
中には「天どん兄さんとおれじゃねぇか!そうだよ、この日は大雪で、こんな日はお客さんも来ないから中止だよな、と思って主催者に電話したら、会はやりますから来てくださいって言われて。行ったんだけどやっぱりお客さんが少なくて。それなのに打ち上げまであって…遭難しそうになったんだよ」
 
次々噺家の怨念を釣り上げながら「ああ、でも燕弥くん。わかるよなー。噺家ってさ、いろんなところに行って落語やらされるんだけど、中には、え?ここで?っていうような場所もあるんだよな。ニツ目の時二人でデパートの屋上で落語やったの覚えてる?」
「ああ、行った行った、ありゃひどかった」
「たっぷり二席やってくださいって言われたけど、誰も聞いちゃいねぇ…」
「そうそう。それで昼に出されたのが、お子様ランチ(ぱちぱち!)…これ、実話だからね」
 
なんてことを言ってると、あたりはすっかり闇の中。
「あ、気が付いたら夜になっちゃった。」
なんてことを言ってると、暗闇の中でぴかっと二つ光るものが。いったいなんだろうとおびえながら近づいてみるとこれが目。「ああ、これは、い、犬の目だ!」
今度は噺家じゃなくて落語の演目の怨念が次々出てくる。
「あーーー金明竹だーー。これ一つ目の言い立てでくすりとも笑いが起きないとその後もうずっと地獄!!」
時そばこれも全然ウケないときがあってそうするとなんかムキになっていつまでもいつまでもそばをすすったりしてさ。俺なんか15分すすり続けたことがあるよ」
「ああ、居残り佐平次。これな、噺家はみんなやりたいんだよ。やりたい噺なんだよ。でもなかなかやれないんだよ。今でも覚えてるよ。ある師匠と地方の仕事に行った時、その師匠は居残りをやるぞ!って電車でもずっと稽古してて、落語会でかけたんだよ、居残りを。そうしたらそこの主催者になんて言われたと思う?”今度はもっとわかりやすい噺にしてください。時そばとか。” これが落語会を20年やってる主催者の台詞なんだから!」
 
なんてことを言ってるといよいよ足を引っ張られる。
ああーーーー引きずり込まれるーーーー足をーーー足を取られるーーー」と言っていると、「ああ、そうか。ここは釣り堀だからいいんだよ」
「え?なんで?」
「釣り堀だからおあしを取るんだよ」でサゲ。
 
…なにかとても激しい三題噺だった。
ちょっと毒がきつめでしたわね…と思っていたら、一度引っ込んでから出て来たさん助師匠から「タイトルは…これは全てフィクションです、です」。
あわててそんなタイトル付けても、フォローになってないぞーー。
 
 
さん助師匠「鮫講釈」
先日旅行で金毘羅様に行ってきました、とさん助師匠。
最近は御朱印ブームもあって結構な人。そして御朱印っていうのは一か所だけじゃなく、語本宮、奥の方にある神社、とか何か所かでもらえる。どこに行っても人だらけ。
どうせなら一番奥まで行ってみよう、そこまで行けば少しは神聖な気分も味わえるのでは、と思って頑張って行ってみたら、「〇〇を買えば幸せになれます!」「さらに倍の値段を出せば御利益も二倍!」って商売っ気満々。霊験あらたかでもなんともなかった。
そんなまくらから「鮫講釈」。
わりと刈り込んで手短に。船に乗ってからのシャレ遊びにぐだぐだしたところも好きなんだけどね。
講釈部分が前に見た時わざと下手にやっててお客さんがドン引きしてたけど、今回は普通にやってた。うん、そのほうがいい(笑)。
 
さん助師匠「死神」
水戸芸術館で「やさしい死神」に出た時の思い出。
自分は芝居をやるわけではなく落語をやるだけだからと軽い気持ちで引き受けたけど、お芝居というのは最初から最後までやって初めて「お芝居」なので、稽古がほんとに大変で。
2か月間、近くにアパートを借りてもらってそこに寝泊まり。
役者さんたちが稽古の前のウォーミングアップでヨーロピアンミュージックに合わせてエアロビをやるんだけど、いつからかそれにも誘われて、着物姿で参加。
演出家からはダメ出しの連続で思ってた以上に大変だった。
そのかわり舞台が終わった時、役者さんたちが泣いても自分は泣かないつもりだったのに、演出家にぎゅっとハグされて、思わず号泣。
そんなまくらから「死神」。
さん助師匠の「死神」は鈴本のトリの時やぎやまん寄席で見たことがあってとても好きなんだけど、この日はなんかちょっと…久しぶりだったのかな?という感じ。
呪文も最初に教わった時と実際にやる時で違うし(笑)。
ちょっと残念でした。