りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

第380回 圓橘の会

11/30(土)、深川東京モダン館で行われた「第380回 圓橘の会」に行ってきた。

 

・萬丸「花筏
・圓橘 圓朝作 怪談「牡丹燈籠」 - 最終章(前半)-
~仲入り~
・圓橘 圓朝作 怪談「牡丹燈籠」 - 最終章(後半)-

 

萬丸さん「花筏
まん坊改め萬丸さん。二ツ目昇進おめでとう!
羽織が着られるのが嬉しくてしょうがないです、とニコニコ顔。
愛嬌があるし噺はたくさん持ってるし見るたびに好きになるなぁ。
これからも圓橘師匠の会の開口一番は引き続き萬丸さんがやられるということなのでよかったー。

花筏」、提灯屋さんがケロッとしていておっちょこちょいでとてもかわいい。
呼び出しの声がとてもよかったのでびっくりした。
最初から最後までとても面白かった。これから先が楽しみな噺家さんだ。


圓橘師匠 圓朝作 怪談「牡丹燈籠」 - 最終章(前半)-
私の最初の師匠3代目小圓朝から教わった噺です。と、父息子の両方が耳が遠い、という小噺。ごく短くてバカバカしいんだけど、これが一門に伝わる大事な噺ということで、師匠の前で10回ほどやらされまして…あんまり熱心に稽古されるとやりたくなくなるもんですね、と。

そんなまくらから「牡丹灯籠」の最終章。

誤って主人である平左衛門を殺してしまった孝助は相川新五兵衞を訪ねて、お徳との縁談はなかったことにしてくれと頼む。
それを聞いた新五兵衞は「みなまで申すな」と言って、平左衛門をしくじったのだろう、だったら私が一緒に謝ってやるから心配するな、や、さては女がいるのだな、それなら妾にしろ、金は私が持つから心配するな、など早とちりであれこれ申し立てる。
そうではありません、と孝助が事情を話し、平左衛門から渡された手紙を渡す。
そこには、自分が孝助の親を殺した仇であることを知り、孝助が源次郎と見誤るようにわざと仕組んで刺させたこと、自分が死んだ後は孝助に仇討をさせて飯島家を再建してほしい、などの旨が書かれていた。
新五兵衞は孝助を説得し、仇討に出る前にお徳と内々に祝言をあげるようにと頼む。
最初は仇討が済むまでは…と固辞していた孝助も、最後は新五兵衞の思いやりのある言葉に「承知しました」と頭を下げる。
祝言をあげた翌日仇討の旅に出かける孝助。
別れを惜しんで引き留めようとするお徳をたしなめる新五兵衞だったが、その目にも涙があふれていた…。

相川新五兵衞が早とちりだけど芯はしっかりとした人物で孝助の話を親身になって聞いて思いやりのある言葉をかけるところにじーん…。
また初夜のシーンは仇討のことで頭がいっぱいでなかなか布団に入ろうとしない孝助に待ちかねたお徳がばあやに泣きつくシーンが可愛らしく、緊迫した場面の中にこういう笑いがあって少しほっとした。

「この続きは、仲入りの後、圓橘が圓朝に教わりながら申し上げます」と言って圓橘師匠が下がると、高座の上に見台、向かって右側に圓朝の本、左側には圓朝の絵が飾られた。
うわー、どんな高座になるんだろう、とわくわく。

 

圓橘師匠 圓朝作 怪談「牡丹燈籠」 - 最終章(後半)-
孝助が仇討に行ったが源次郎とお国を見つけられずいったん江戸に戻り、良石和尚に会い予言を受ける。
また家に戻るとお徳は赤ん坊を抱いており、自分に息子ができたことを知る。
孝助が予言に従い白翁堂勇齋を訪ねると、そこで4歳の時に別れた実母おりえがいて、お国がおりえの再婚相手の連れ子であることを知る。
お国と源次郎がいる場所におりえが手引きをしてくれるというので行ってみると、すでに二人はそこになく、おりえが夫に義理立てして二人を逃がしていたのだった。

おりえは孝助にそのことを告げて自害。孝助は二人を追い、ついに本懐を遂げる。

…ストーリーを追いながら、圓橘師匠が「(圓朝)師匠、ここなんですが…師匠に対して大変申し上げにくいのですが…ちょっと偶然が過ぎませんかね?」と言うと、圓朝師匠が「そういうところは…噺家の腕の見せ所です」と答えたり、「後半の展開があっけなさすぎませんか?」と言うと「本来は15話だったものを速記では13話に縮めているから駆け足のように感じるのです」と答えたり…。

圓橘師匠らしい趣向で面白い~。
もっとこの噺をきちんとわかっていたらもっと理解できたのになぁと思うと、ちょっと悔しいぐらい。

楽しかった~。圓橘師匠の会は本当にバラエティ豊かで楽しいなぁ。