りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

鈴本演芸場8月下席夜の部(1日目)

8/21(水)、鈴本演芸場8月下席夜の部(1日目)に行ってきた。

・琴調「清水次郎長外伝 小政の生い立ち」
・菊之丞「紙入れ」
~仲入り~
・扇遊「狸賽」
翁家社中 太神楽
・さん助「鴻池の犬」

琴調先生「清水次郎長外伝 小政の生い立ち」
うーん、かっこいい。最初の張扇の叩き方からしてかっこいい。
子どもたちが博打をやる姿を苦々しく見ていた清水の次郎長と石松。
酔っ払いが割って入ってきて子どもたちがてんでに逃げる中、一人だけその場に残り散らばった金を集めてむしろを店のおばあさんに返す子ども。
酔っ払いがその金を寄こせと子どもに迫ると、彼は棒きれで酔っ払いを打とうとする。
慌てて止めに入った石松が酔っ払いを追い払うと礼を言う子ども。
礼なら俺じゃなく親分に言いな、と次郎長のところに連れて行くと…。

「博打打ち」になりたいと夢見る小政。
子どものかわいらしさと肝の据わったところ。
まわりの大人がたじたじになるのが小気味いい。
楽しかった。

菊之丞師匠「紙入れ」
聞き慣れた「間男」の小噺から楽しくて思わずぶわはっ!と笑ってしまう。
おかみさんの色っぽさと小悪魔っぷりがたまらない。あんなふうに誘われたら誰だってひとたまりもないだろう。
リズムのよさなのかテンポのよさなのか、菊之丞師匠の落語はノリのいい音楽を聴いているようなグルーブ感があるんだよなぁ。楽しい~。

扇遊師匠「狸賽」
うーん、扇遊師匠もまた弾むような高座で楽しい~。
表情や動きに引き込まれる。
聞いていてウキウキしてくるような「狸賽」だった。

さん助師匠「鴻池の犬」
まくらなしで「鴻池の犬」。
うおおお。初日にいきなり「鴻池の犬」とは。
店の前に三匹の捨て犬を見つけた小僧の定吉。乾物屋に犬など置くことはできないという旦那とのやりとりが楽しい。
三匹のうちの黒犬をもらいたいと店を訪ねてくる男。
最初から「もらいたいと言う人がきたらあげてしまうよ」というのが旦那と定吉との約束だったから、旦那に「黒をあげることになった」と言われた定吉は文句は言わないけれど本当に悲しそう…。
ちゃんと餌ももらえなくなった白とブチ。ブチが轢かれて死んでしまい、もうここにはいられないと思い詰めた白は黒あんちゃんのいる大阪を目指して旅に。
途中でお伊勢参りのお礼に向かうおかげ犬と出会い、一緒に旅をする二人。
この二人の別れの場面では涙が…。うううう。なんで犬が別れるシーンで泣くんだ自分と思うも、優しくしてくれたおかげ犬と別れる心細さ、本当に黒あんちゃんに会えるんだろうかという不安を想うと、うるうる…。
一方、鴻池に引き取られて大事に育てられ、江戸っ子気質を発揮して「親分」になった黒犬。
この親分ぶりがなんともいえずばかばかしくておかしい。

自分の世界に客席をぐいっと引き付ける本当に堂々とした高座で、ぬおおお、さん助師匠どうした!すごいぞ!と嬉しい驚き。
いやぁ…心配してたんだようーほんと言うと。
なんか今席のさん助師匠トリはすごい期待できそう!うわーーーい。