りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

回復する人間 (エクス・リブリス)

 

回復する人間 (エクス・リブリス)

回復する人間 (エクス・リブリス)

 

 ★★★★★

大切な人の死や自らの病、家族との不和など、痛みを抱え絶望の淵でうずくまる人間が一筋の光を見出し、ふたたび静かに歩みだす姿を描く。李箱文学賞、マン・ブッカー国際賞受賞作家による珠玉の短篇集。 

とてもよかった。

人を傷つけた痛みや罪悪感、自分が負った傷や打撃から立ち直れずにうずくまる人たち。その傷は誰にも治してあげることはできなくて、慰めたり励ましていた人たちにもしばらくすると陰鬱な気分が伝染し苛立って離れていく。
そんなに簡単に立ち直ったり前を向けるわけではないけれど、それでもかすかな光が見えて新しい痛みを感じた時、それを「回復」と捉えることができるのかもしれない。
命のイメージが色覚的なのが印象的だった。

どの作品もよかったけれど「回復する人間」「青い石」「火とかげ」が特に好きだった。
ハン・ガンは以前「菜食主義者」を読んだけれど、それよりも好みだった。
他の作品も読んでみたい。

それにしても最近の韓国作家の面白さといったらなんなんだ。
そして斎藤真理子さんっていったいどれだけ仕事してるんだ。
翻訳のことはよくわからないけど、きっと斎藤さんの翻訳の功績も大きいんだろうなと想像する。
素晴らしい。感謝感謝。