りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

ののはな通信

 

ののはな通信

ののはな通信

 

 ★★★★★

最高に甘美で残酷な女子大河小説の最高峰。三浦しをん、小説最新作。

横浜で、ミッション系のお嬢様学校に通う、野々原茜(のの)と牧田はな。
庶民的な家庭で育ち、頭脳明晰、クールで毒舌なののと、
外交官の家に生まれ、天真爛漫で甘え上手のはな。
二人はなぜか気が合い、かけがえのない親友同士となる。
しかし、ののには秘密があった。いつしかはなに抱いた、友情以上の気持ち。
それを強烈に自覚し、ののは玉砕覚悟ではなに告白する。
不器用にはじまった、密やかな恋。
けれどある裏切りによって、少女たちの楽園は、音を立てて崩れはじめ……。

運命の恋を経て、少女たちは大人になる。
女子の生き方を描いた傑作小説。

女子高で出会い親友から恋人になった「のの」と「はな」。毎日交わされる手紙はどんどん濃密なものになっていくが、恋人時代は長く続くことなく終わっていく。
大学生になって再会してまた離れ、40代になって今度はメールのやり取りが始まる。

宝物のような恋愛の記憶はその後の人生で道しるべとなる。

送り先が不明になってもお互いの存在は常に身近にあって気配すら感じられる。
それがその人の全てではなかったとしても、心の一番深いところで通じ合える相手がいることは幸せなことだ。

しをんさんは作品ごとに全くテイストが違う。とても面白かった。