りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

赤坂雲助の会

6/29(土)、赤坂会館で行われた「赤坂雲助の会」に行ってきた。
50人でいっぱいになる小さな会場で雲助師匠を聞けるという贅沢な会。赤坂の雲助師匠の会に行ったときに先行でチケットを売り出していて「ラッキー」と買ったのだが、先行で売り切れてしまうという人気ぶり。すごい。

・市若「平林」
・馬太郎「笠碁」
・雲助「お化け長屋」
~仲入り~
・雲助「干物箱」


馬太郎さん「笠碁」
雲助師匠の会に出させていただくというのは本当に光栄なこと。邪魔にならないようにさらっとやって…と思っていたら楽屋で雲助師匠に「たっぷりやらなきゃ!」と言われてしまい…計画が狂いました…。
そんなまくらからなんと「笠碁」。二ツ目になったばかりで「笠碁」はちょっと背伸び?と思ったんだけど、ゆったりした口調と上品で丁寧な話しぶりが意外にもしっくり。時々、ああ…師匠譲りだなぁと思うようなところもあって微笑ましい。
馬太郎さんはきれいで丁寧な落語をするイメージが強いんだけど、どこかちょっと変なところがあってそこがすごくおかしい。面白かった!


雲助師匠「お化け長屋」
昼の1時なんて噺家にとったらまだ朝みたいなもん。頭も体もまだ目覚めていない。私の方もぼーっとしているのでお客様にもぼーっと聞いていただきたい。
昔の木馬亭の昼席なんて行くと客は10人もいない。それも全員がじじい。空いてるからと思って座ろうとすると「そこは〇〇さんが来るからだめ!」なんて怒られる。
で、おじいさんたちはいかにもだるそうに寝っ転がってたり、腕をこんな風に伸ばしてどこが痛いのか嫌そう~な顔でぼーっとしてる。でも終わると拍手をしたりして「あ、なんだ、聞いてるのか」。

そんなまくらから「お化け長屋」。
一人目の男に向かって木兵衛さんが語る怪談話。茶目っ気たっぷりでおどろおどろしいんだけど全然怖くない(笑)。
二人目の男はいちいちなんだかんだと話の腰を折るんだけどその時に「ふんが!」と鼻を鳴らすのがすごくばかばかしくておかしい。
笑った笑った。めちゃくちゃ楽しい「お化け長屋」だった。


雲助師匠「干物箱」
ふわふわした若旦那、頭のかたい大旦那、間の抜けてる善公、3人の人物像がくっきり。
湯屋に行ってもいいと言われて浮かれ気味に家を出た若旦那、途中で会うのが太鼓医者。ああだこうだと軽口をたたいて、身代わりがほしいという若旦那に「だったら若旦那の声真似の上手な善公に身代わりをさせればいい」とアドバイス。アドバイス代もきっちり請求(笑)。

あなたのためなら命もいらないと言う善公だけど身代わりは嫌がる。大旦那にこれ以上嫌われたくないし、万が一見つかったらあの大旦那は腕に覚えがあるからしめられちゃう!と。
それでもお金と羽織に釣られて若旦那の部屋へ。
部屋に入ると布団や本や持ち物に感心して、酒の支度もできてる、ありがてぇ!と飲み始めると、すぐに気が抜けて俥屋の真似を始めて、下の大旦那に声をかけられてしまう。

雲助師匠が本当に楽しそうで、最初から最後までこちらもにこにこ。楽しかった!