りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

さん助燕弥ふたり會

6/15(土)、お江戸日本橋亭で行われた「さん助燕弥ふたり會」に行ってきた。

・ぐんま「熊の皮」
・さん助「ちしゃ医者」
・燕弥「宿屋の富」
~仲入り~
・燕弥「羽織の遊び」
・さん助「不動坊」


ぐんまさん「熊の皮」
あら、珍しい。なんか嬉しい。ぐんまさん。
群馬の名物、「かかあ天下とからっ風」のまくらから「熊の皮」。
甚兵衛さんに用事を言いつけるおかみさんが妙に色っぽくけだるいのに笑う。
先生の所に向かいながら甚兵衛さんがおかみさんの尻に敷かれていることを嘆きながら「結婚するまで知らなかったもんなぁ。群馬出身だなんて」とぼやいたのもおかしかった。


さん助師匠「ちしゃ医者」
さん助師匠の「ちしゃ医者」は以前Una Gallaryさんで聞いたことがあったけど、夜中に訪ねて来た人に「その患者はどうしても助けないといけない患者か?そうでもないか?」と尋ねる助手がおかしい。
「うちの先生は義侠心はあるけど腕はない。患者さんの息の根を止める可能性がある」って。ぶわははは。
それから先生が駕籠で出かけようとするけど担ぎ手がいなくて訪ねて来た人と助手の二人で担いでいくと、途中でその肝心の患者が亡くなってしまったとわかり…。

なんとなく前に聞いた時よりわちゃわちゃしてわかりづらかったのは、まくらの反応がイマイチで動揺したのか??ちょっともったいなかったような。
それでも、お土産をもらえるかと思ったおばあさんが駕籠の中をまさぐる攻防の激しさはすごくばかばかしくておかしかった。


燕弥師匠「羽織の遊び」
この日は「宿屋の富」と「不動坊」がネタ出しされていて、燕弥師匠はもう一席は「引っ越しの夢」をやるつもりだったらしい。
でも考えてみたら「引っ越しの夢」と「不動坊」はなんか付いてる…。ので、違う噺をします、と「羽織の遊び」。

聞いていて、あれ、この噺なんだっけ?前に一度聞いたことがあったような…なになに?あとでこのブログを検索したら夢丸師匠で一度聞いたことがあった。「羽織の遊び」。

吉原に行きたいけど誰一人お金を持ってないことがわかりがっかりする江戸っ子たち。
どうにかして一文無しでも遊べないものかと相談していると、そこに通りかかったのが若旦那。
そうだ、あの人をおだてて連れて行ってもらおうと言うと、「あいつ嫌いだからいや」「へんな喋り方で気持ち悪い」という声があがる。
まぁまぁ俺に任せておけ、と若旦那に声をかけると…。

この若旦那が「セツは〇〇でげしょ」とか言うナヨナヨしためんどくさい人物なんだけど、これが燕弥師匠に合っていてすっごく面白い!
押したり引いたりの独特のリズムがおかしさを倍増させる感じ。
笑った笑った。楽しかった!


さん助師匠「不動坊」
めちゃくちゃ面白かった。
おたきさんとの結婚を持ちかけられて「もらいます」「おたきさんは私の女房なんです」ときっぱり言う吉さん。
顔や声に一目ぼれしたんじゃない、その立ってるはかなげな姿がいいんだ。指先まできれいだったんだ、と力説。
ありがてぇなぁと帰って来て湯屋に行って浮かれる様子がおかしい。ほんとにありがたそうで、おたきさんのこと、ほんとに好きだったんだね(笑)。
やきもちを焼く3人もおかしいんだけど、とにかく最高なのが幽霊役を頼まれる元前座のおじいさん。
よろよろとせき込みながら入ってきて、でも幽霊役を頼むと我が意を得たり!と大喜び。焼酎火や太鼓など嬉々としてアドバイス
セリフを教えてくださいと言って幽霊のしぐさをやるんだけど、これが結構な迫力。怖い。(でもおかしい!)
「こりゃすごいわ。さすが彦六の弟子だわ」と3人は大絶賛。

みんなで屋根の上に上がってから。松さんが買って来たのがアルコールじゃなくてあんこだと分かって怒られると「みんなにおいしいのを食べてもらおうと思って。十勝産だよ。十勝産!」。
…ぶわはははは。なにそれ。

そして本番になったとき。
松さんはちゃんとうすどろを叩くんだけど、その時の顔と音がちょっと迫力があって、でもばかばかしくて大笑い。
さらに幽霊役の元前座。家でやった時とは大違いの棒読み!
それを見て「ああ、誰かが言ってたわ。前座の頃から稽古ではうまいけど本番だとダメだって!」

いやもう笑った笑った。こんなに楽しい「不動坊」は初めて。
好きじゃない噺だけどほんとに楽しかった!