りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

不気味な物語

 

不気味な物語

不気味な物語

 

 ★★★★

死と官能が纏繞するポーランドの奇譚12篇――
生誕130年を迎え、中欧幻想文学を代表する作家として近年大きく評価が高まっているステファン・グラビンス 

 読んでいて、あれ?この感じは覚えがあるぞと思ったら同じ作者の「狂気の巡礼」を読んでいた。

建物や場所にとりついた何かに知らないうちに巻き込まれたり、夢が現実を侵していったり…。でも結局のところ人間の情念や思索が狂気を導いているように感じる。文学的なので怖いだけではない美しさもあっていい。

「シャモタ氏の恋人」「サラの家で」「追跡」「情熱」「偶然」「投影」が好き。