りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

圓橘の会

2/23(土)、深川東京モダン館で行われた圓橘の会に行ってきた。

・ぽん太「しの字嫌い」
・圓橘「夢金」
~仲入り~
・圓橘 圓朝不朽の名作 怪談「牡丹燈籠」ー発端・湯島天神の場


ぽん太さん「しの字嫌い」
好楽師匠のお弟子さん。最近ニツ目になったばかりらしい。
まずは自分の名前の由来から。ぽん太というのは圓朝師匠のお弟子さんで、「絵を描かない山下清」みたいな人だったらしい。このお弟子さんを圓朝師匠はとてもかわいがっていて、今も圓朝師匠のお墓と同じ敷地内に「ぽん太」の墓があるらしい。

まくらも堂々としているし、落語もテンポがいいし笑わせどころも抑えていて…なんとなく小太郎さんっぽい。
面白かった。


圓橘師匠「夢金」
前座時代、師匠のお供で圓朝師匠のお墓参りに何度か行ったことがある。その時に「ぽん太」というのが気になって師匠に「これはいったいどういう人なんですか」と聞いたのだが、師匠は言葉を濁した。おそらくうちの師匠は「バカ」とは言いづらかったのだろう。
さきほどのぽん太の話しをきいていて「絵を描かない山下清」はうまいこと言ったなぁと感心した。
このぽん太の噺を作って8/11にリレーでやります、とのこと。うおおおー是非とも行かねば。

それから「今日は暖かいですね」と。
もしかして雪が降るかもしれないと思って雪の噺を準備して来たんですけど、あいにくでした…。

と言いながら「夢金」。

くまの欲の張りっぷりと侍のいかにも胡散臭い様子がくっきり。
侍に呼ばれて身支度をするくまの様子(上着をバーンと脱ぐところや笠を外すところ)から本当に寒いことが伝わってくる。

女を殺すことを持ちかけられたくまがきっぱりと「とんでもねぇ!!」と断るところ、また手伝わなければ殺すと言われて「ならやります」と言うところ、やると決めればすぐに分け前の交渉に入るところなど、くまが侍と五分五分で渡り合ってることがわかる。

中州に侍を置き去りにしてからのスピードの速さはまさに爽快。
いやほんとにくまが生き生きしていて楽しい「夢金」だった。
圓橘師匠がすごく大きな声を出すのがすごくメリハリがあってよかったー。


圓橘師匠 圓朝不朽の名作 怪談「牡丹燈籠」ー発端・湯島天神の場
今日から「牡丹灯籠」を連続でかけていく、と。おそらく9月ぐらいまでかかるのではないかということ。
園朝物やこういう嫌な噺はもうこりごりだなぁという気持もあるが、圓橘師匠のは聞いてみたいと思う。

刀屋で飯島平太郎という若い侍が刀を買おうとして店の主人と話をしていると、店先で黒川という浪人に自分の家来が絡まれている。
平太郎は丁寧に謝るのだが酒癖が悪い黒川はまるで許さず、平太郎に唾を吐きかける。
もともと癇癪持ちの平太郎はそれに怒り、持っていた刀で黒川を斬りつける。
そのことを自ら自身番へ届け出るが、さしたるお咎めもなく、平太郎は出世する。

平太郎は10年後父の名前(平左衛門)を継ぎ、お露という娘も生まれる。
お露が16歳の時、妻が亡くなるが、平左衛門は女中のお国といい仲になる。
お国とお露の仲が悪いので、平左衛門はお露を女中を付けて柳島の別宅へ住まわせる。

今回はここまで。
頭を下げた後に圓橘師匠が「置いた扇子がどこに行ったか見失っちゃった。お見苦しいところをお見せしてしまって申し訳ない」と謝ったのがちょっとかわいかったなー。