りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

こはぜのたび

9/17(月)、落語協会で行われた「こはぜのたび」に行ってきた。

・小はぜ「提灯屋」
・小はぜ「真田小僧
~仲入り~
・小はぜ「へっつい幽霊」


小はぜさん「提灯屋」
今回こちらの会を初めて落語協会の2階でやることについて、あれこれ語る小はぜさん。
あれこれ気にしていることを語る小はぜさんに、なにもそこまで正直に言わなくてもいいよ~と肩を叩いてあげたくなるほど…。
ほんとにいろいろ気にする人なんだなぁ。
こういう気にしぃな人にこの場所はあんまり良くないのでは?と聞いていて思ったり、でもこういう場所でやることの嬉しさもにじみ出ていたり。
ニツ目になりたての頃から比べると会も増えてこの間はついに渋谷らくごにも呼ばれて、あーあたしの小はぜさんが遠くに行っちゃったなぁと、少し寂しい気持ちもあったんだけど、まくらを聞いてると相変わらずでちょっと安心するな。
って最初からあたしのじゃないけど。わかってるけど!

そんなまくらから「提灯屋」。
この地味で笑いどころのない噺をこだわってやってるなぁ、小はぜさん。渋谷らくごでも「提灯屋」やったみたいだもんね。
これで聞くのは3回目か4回目だけど、冗長なところがなくなってきて楽しい感じになってきてる!
難しい噺だよなぁ。そもそも紋についての知識がないと、若い連中がひねり出す口上の楽しさがイマイチ伝わりづらいし。
4人目の若い衆が一番ぼんやりしているのに一番高い提灯を持ってきちゃうのがおかしい。
ムキーってなる提灯屋さんがかわいそうだけど、落ち着いた隠居との対比が楽しい。


小はぜさん「真田小僧
北海道の地震で一時的に牛乳が品薄になった時、初めて豆乳を買ったという小はぜさん。
パンを食べるとき牛乳をゴクゴク飲むのが好きなので、豆乳も同じ勢いでゴクゴクっとやったら、思っていたよりすごい豆味!豆の味がぶわーーーっと口中に広がったので思わずぶわはっ!!とむせてしまって口の中の豆乳がキラキラキラ~そして鼻からも出てしまった。
それを見ていた母親に「鼻から豆乳が」と言うと「やめて。そういうこと言うの。あれでしょ、鼻から牛乳~って言いたいんでしょ。だめ!そういうオヤジギャグは。」
「なんだよオヤジギャグって。そうじゃないよ、鼻から豆乳なんだよ」
「そういうオヤジギャグは言わないの!」
「オヤジギャグじゃないよ、ほら、粗忽の釘で”藪から棒ですな”って言われて”違います、壁から釘です”って言うような。古典的なクスグリだよ!」
「だめ!そういうオヤジクスグリは禁止!」
…ぶわはははは。なんだその会話は。
でもきっとおかあさんはあれですよね、嘉門達夫の「ちゃらりーん、鼻から牛乳~♪」が頭にあったんですよね?違うかな。
そんなまくらから「真田小僧」。これももちろん通しで。
ちょっとお父さんが金坊に真面目に腹を立てすぎてる気が…。自分の息子なんだし、口では悪く言ってもやっぱりほんとはかわいいと思ってるはずだからそれが伝わってくるといいな、と思ったな。


小はぜさん「へっつい幽霊」
くまさんが思ってるより迫力があって素敵。
小はぜさん、怖がるキャラクターがとっても合ってるけど、こういうどしっとしたキャラクターも意外にいいな。
それに対してキャーキャー怖がる若旦那。
気弱な幽霊が、強気なくまさんに腰が引けてなかなか出てこられないのがおかしい。
くまさんと幽霊が根っからの博打打ちだから「半分もらってもしょうがない」と意見が一致するのが面白い。
楽しかった!