りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

赤坂倶楽部 小のぶを聴く会

9/13(木)、赤坂会館で行われた「赤坂倶楽部 小のぶを聴く会」に行ってきた。

・市坊「たらちね」
・市童「幇間腹
・小のぶ「金明竹
~仲入り~
・小のぶ「青菜」


市童さん「幇間腹
わー、なんか久しぶりの市童さん。
以前から達者な印象があったけど、なんていうか柔らかさが加わったっていうか余裕が出てきたというか。テンポもよくてしなやかで気持ちのいい落語。


小のぶ師匠「金明竹
江戸から明治にかけて、お医者さんで幇間噺家という人は珍しくなかった、と小のぶ師匠。病気で暗くなっている人の緊張をほぐすために、一席噺をしたり上手に気持ちを盛り上げたりする医者というのがいた。
この噺の前半部分を作ったのはそういう方だったとか。

そして「金明竹」は何回も聞いているけど、「中橋」がどこらへんにあるのか、「ゆうじょうこうじょうそうじょうさんさくのみところもん」「しぶいちごしらえ」「こづかづきのわきざし」がなんなのか、など全然知らなかったし、調べようと思ったこともなかった。
それらを丁寧に説明してくれる小のぶ師匠。この薀蓄がとっても楽しい。
「説明しようと思ったものが一個抜けたみたいだけどなんだっけ…どうせ思い出せないからもういいや」。ちょっとなげやりな小のぶ師匠がまたおかしい。

そんなまくらから「金明竹」。
与太郎がすごくオーバーアクションで子どもっぽくてかわいい。こんなに無邪気でかわいい与太郎は初めて。
そしておじさんとおばさんは品があって、特におばさんは旦那様に仕える感じ。
猫を借りに来たり、旦那に目利きをおねがいしに来た人が与太郎に断られて「それはちっとも存じ上げませんでした」と言って帰って行くんだけど、その時に丁寧に扉を閉める、そのしぐさだけですごくおかしい!

加賀屋の使いの人の言い立ては4回あったけど、途中が抜けたり順番が逆になったり…あとで小のぶ師匠がそのことを気にして謝ってらしたけど、そういうのあんまり気にならない。
いや言葉が出てこなかったりするとひやひやはするけど、でもそれもまた落語っぽいっていうか。
おかみさんがとてもきちんとしているだけに、旦那に聞かれて一生懸命思い出しながらとんでもないことを言いだす面白さが際立つ。
すごく楽しかった~!


小のぶ師匠「青菜」
先ほどは申し訳ございません、と小のぶ師匠。
高座の上で眠くなってしまった。私のせいだけど暑さのせいもある。あと主催者の方に始まる前に「がんばって」と励まされたのもいけなかった。
ほんとはお客様一軒一軒まわっておわびをしないといけないくらい。でも行きません。なので、また次回いらしてください。

…ぶわははは。
市童さんが「こちらの会に来るようなお客様は落語ファンの中でも相当ディープな落語ファン」と言っていたけど、確かにきっとそうなんだろうけど、でも全体的にお客さんがとても温かい雰囲気。だからきっと大丈夫。私は全然大丈夫よっ!

そんなまくらから「青菜」。
植木屋さんが旦那に後ろから声をかけられて「いけね!」って顔するの、かわいい~。
旦那はいかにも鷹揚で品がある。
家に帰っておかみさんに「あれをやろう」「今はこうして馬鹿にされているけど、隠し言葉をやれば、もしかして貴族の出じゃないか?って言われる」と言うと、おかみさんが「ほんと?」とがぜんやる気をだすのがおかしい。

おかみさんは文句も言わず押し入れに入るけど、出てきたときのヨレヨレ加減はかなり激しい。
小のぶ師匠らしい情熱的な「青菜」、楽しかった。