りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

小んぶにだっこ

9/11(火)落語協会で行われた「小んぶにだっこ」に行ってきた。

・小んぶ「あくび指南」
~仲入り~
・小んぶ「転宅」


小んぶさん「あくび指南」
最近時間配分がうまくできなくなって遅刻癖がついてしまった、と言う小んぶさん。
あと30分で出かけなければならないのに洗濯機を回してしまったりするらしい。
…確かに私も数年前から出かけようと思ってる時間に出かけられなくなることが増えて、自分の処理能力の衰えを実感しているけど、小んぶさんはまだそんな年じゃないでしょうに!

それからさん若さんの真打披露目パーティの時の話。
正楽師匠がさん若さんが入門した時から真打になるまでを切ってそれを「川の流れのように」のメロディを流しながらOHPで見せたものがとても素晴らしく感動の嵐。
ではあったんだけど、結構お酒を飲んで酔っ払ってた正楽師匠。用意した紙を無造作に取り出したものだから、途中でうまく流れない部分があって、音楽だけが流れOHPに何も映らない時間帯もあったとか。
音楽が流れてる間に全部見せきれなくなり、えいや!と最後の方のものを出して終了。
それでも本当に素晴らしい作品で、涙する人続出だったらしいのだが、楽屋に戻って来た正楽師匠は「半分しか見せられなかった」と残念そう。
それで楽屋で見せきれなかった部分を流してくれたんだけど、観客は小んぶさん一人。それでも小んぶさんが見て「おおっ」と感動していると、正楽師匠はそれで気が済んだらしく満足して席に戻っていた、と。

…ぶわはははは。正楽師匠って素敵!!
楽屋で一人作品を見せてもらう小んぶさんを思うとほほえましい。

そんな話をしていた小んぶさん、落語に入ろうとして時計を見て「あれ!」。
どうやらまくらを1席分ほど喋ってしまったらしい。
ここにも時間配分ができなくなってる弊害が…(笑)。
そんなまくらから「あくび指南」。
これがもうひっくり返るほどおかしかった。なんでこんな噺がこんなに?!っていうぐらいおかしい。

兄貴分についてきてもらうときに「あの女、おれにとーんと来てるよ」と言っていたのに、行ってみると「はい?どなた?」って覚えてもらってさえいないおかしさ。
そしてあくびを教えてくれるのがその女性じゃなくて亭主の方とわかるところ。あくびの師匠が出てきたのをびっくりまなこでツーっと視線を移すのがおかしい。
あくびの師匠がまたなんともいえず怪しくて、暴言を吐くくまさんに向かって「出来の悪い弟子ほどかわいい」とぼそり…。
またあくびの師匠の模範例が…最初に揺れるともなく揺れてるところがすごく長くてよくわからないぐらいの揺れ方で怪しくておかしい~。
二回目をやったときに「船もいいが一日乗ってると………わい」には大爆笑!よくそういうことを思いつくよ、小んぶさん。最高。

くまがやってみると、揺れながら船頭を振り返って喋る、この独特のリズムが今までに見たことがないぐらいばかばかしくて大笑い。
そして「中に行って」のセリフに入ると嬉しくなってあはあはあはあは笑いだすばかばかしさ。
めちゃくちゃ楽しかった!

 

小んぶさん「転宅」
前半部分はすごくちゃんとしていて、おおっ!こちらは本寸法にやるのね!と思って見ていたら、泥棒がお菊さんに見つかっても食べ続け…飲んでは食べ、お菊さんの顔を見てはまた食べ続ける。わはははは。
基本的にはちゃんとしてるんだけど、時々壊れる(笑)。
お菊さんに何か言われて一応抵抗するんだけど、強く言われるとすぐに「うん、そうだな」と流される。
おかしかったのは次の日タバコ屋さんから事情を聞かされて、だまされたことがわかってからも、「お菊に会いたいなぁ…」。
なんかそのつぶやきがとても小んぶさんらしくてちょっとホロリ。
久しぶりの小んぶにだっこ、楽しかった!