りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

ブエナ寄席

7/26(木)、ART SPACE BAR BUENAで行われた「ブエナ寄席」に行ってきた。
BUENAには何回か来ているけど、ブエナ寄席に来たのは初めて。女性のお客さんが多くて華やか。

・可風「まんじゅうこわい
・鯉八「かくあるべし」
~仲入り~
・柏枝「親子酒」


可風師匠「まんじゅうこわい
芸協の若手の「まんじゅうこわい」ってすごく面白い。初めて見て衝撃を受けたのが夢丸師匠。「まんじゅうこわい」がこんなに面白いって?!と驚いたんだけど、それを見たのがこみち師匠との二人会で、こみち師匠も衝撃を受けてその後夢丸師匠から教わった、と何かの会で言っていた。
上方の「まんじゅうこわい」はトリネタになるぐらいだって聞いたことがあるけど、それに近いのかな。

怖いものを言い合っているとそこに兄貴分が入ってきて「兄貴の怖いものは?」と聞くと、この間、身投げをしようとしている女を助けて…という話を始めてそれが怪談っぽくなる。その部分が結構怖いだけに、その顛末のばかばかしさに笑う。
可風師匠が座布団の上でふわふわと機敏に動くのがとてもおかしくて、楽しかった!


鯉八さん「かくあるべし」
久しぶりの鯉八さん。開演前に声がしたから振り返って挨拶したら「お久しぶりです」と言われてしまい、申し訳ない…。
嫌いになったわけじゃないんだ。でも成金がとっても人気が出てなんか行きづらくなってしまって…って言い訳だなー。ずびばせん。

初めて聴く噺。
チンピラに絡まれて困っている女性。
そこへやって来た男が、そのチンピラに向かって砂を投げつけ棒で殴りつけて助けてくれる。
女は「ありがとうございました」と丁寧にお礼を言って立ち去ろうとすると、助けた男が「え?それだけ?」。
助けた男としては、こういう場合は「せめてお名前を」と聞いてくるべきだし、(彼女の)行きつけの喫茶店に連れていくべきだし、なじみのマスターに紹介するべきだし、そこから恋が始まるべき。
は?なにそれ?と困惑していた女だったが、それを言うならあなたもこうやって現れるべき、砂と棒なんか使わずに素手で戦うべき、と言い募る。

もうこの会話の応酬のスピード感、お互いに言い出す内容の斜め上をいく感じ、これがもうたまらない。
すごいグルーヴ感があって…なんだろう、これは。ノリノリの音楽にも似た…聞いている方がどんどんアガっていってものすごい高揚感。

うひゃーー。鯉八さん、すごいことになってるー。楽しい~。
客席はハンパないウケ方だった。すごい。


柏枝師匠「親子酒」
霊感が強いという柏枝師匠。
ああ、確かにそういわれると霊感強そうな感じがする…と思っていると、子供のころに金縛りにあったことがある、と。
でも金縛りにあいながらさらに霊が浣腸してきた、と。

…ぶわはははは。ええええ?なに?いまなんて言いました?浣腸?
柏枝師匠の発音が「官庁」っぽいので何度か聞き返したい気持ちに。なにそれ?

それで渾身の力をこめて「やめて!!浣腸やめて!!」と叫んだら、金縛り中だったから大きな声は出なかったけど霊には通じたらしくやめてくれた。
なんて恐ろしい…そして痛かった…と思い、下で寝ている両親の部屋に行き、「今金縛りにあって浣腸された」と話したが、まるで相手にしてくれなくて悔しい思いをした。

それから旅の仕事でホテルに泊まったとき。
部屋に入った瞬間に嫌な感じ。
ベッドも北枕になっていて、不吉な予感しかない。
その地方では北枕は縁起が悪いわけではないらしいのだが、自分は気になったので位置を変えて盤石の体制。
しかしその晩、また金縛りにあってしまった。
しかも今度は浣腸ではなく、き〇を握ってきた。これが痛いのなんの…。

…ぶわはははは。
もう…柏枝師匠が無表情でそういうことを言うから、ほんとのことを真面目に言ってるのか、嘘をふざけて言ってるのかが全然わからない。
しかもお下品だし(笑)。笑うと巻き込み事故に遭いそうだったけどついゲラゲラ笑ってしまった。

そんなまくらから「親子酒」。
大旦那がおかみさんを見つめる視線が訳ありげで妙に色っぽい。
こんな捨てられた子犬みたいな目で見られたら、じゃんじゃんお酒を注いであげたくなる。
また最初は「つっと寝ちまうから」と言っていた大旦那、飲むほどに元気になってきてとても寝そうにないのもリアル。
お酒を飲みながらなんやかんやと言う部分が結構たっぷりでとっても自由。

そして後半になって酔っ払った大旦那が白目をむくという大技に(笑)。
やっぱり柏枝師匠は「親子酒」でも壊れるのね…ぶわはははは。

楽しかった!3人が3人とも面白いってすごい!
また行きたいブエナ寄席。