りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

北とぴあで江戸噺 夜の部

7/5(木)、北とぴあペガサスホールで行われた「北とぴあで江戸噺 夜の部」に行ってきた。
昼の部には大好きな小助六師匠が出ているので昼の部も行きたかった!あと阿久鯉先生も見てみたい。なんだか好きな気がする~。
入口でグッズ販売をしていたので、圓馬師匠と小助六師匠の手ぬぐいを購入。うっしっし。


・馬ん長「やかん」
・小柳、圓馬、昇乃進、夢花 トーク
・夢花「宿屋の仇討」
・圓馬「茶の湯
~仲入り~
・小柳「大工調べ」
・昇乃進「崇徳院

 

馬ん長さん「やかん」
好きなタイプじゃないけど(グイグイ系)、うまいなー。大きな声、きびきびした話し方、どやっという間、この噺に合ってる。
前半の魚根問のところ、あんまり聞いたことのないのも入ってて面白かったな。


小柳師匠:司会、圓馬師匠、昇乃進師匠、夢花師匠 トーク
「楽屋の仰天エピソード」というテーマだったんだけど、あんまり仰天エピソードはなく…。予想通りの展開。(夢花師匠がしゃべり続け、他の師匠方がたじたじ…軌道修正しようとするも時間切れ)
ぐだぐだだけど面白かった。

・自分ができない(太鼓を叩けない)ことで小言を言う師匠がいる。
・夢花師匠は前座の時、池袋の昼夜を7日続けて二人でまわしていて頭がおかしくなってきて、とある師匠に灰皿の灰をかけてしまったことがある。
・最近は前座に女性が増えて、自分たちの方が女性に見えないようにコソコソ着換えてる。
・女性前座が増えてから、みんなのきれいな下着を着る噺家が増えた。
・茶楽師匠はずっと白のグンゼのパンツだったが最近女性前座を意識して黒に変えた。
・茶楽師匠は楽屋に入ると上はそのまま、下はパンツ一丁。変態に見える。
・ステテコもオシャレになったがみんなユニクロ。お揃い。
・先代の文治師匠に小言をくらった(全員)。
・先代の文治師匠がなかなか来ないのでつないでるボンボンブラザーズ先生に「傘もってきて」と言われて、濡れてるビニール傘を持って行って怒られた。(それをやった前座は夢花師匠)
・今は落語家がどんどん入ってきてめったに辞めない。怖い師匠がいなくなったから。今小言が多い師匠は…(言えない)。


夢花師匠「宿屋の仇討」
旅の仕事も随分変わってきたけど、結構しんどいのが船の旅。
船で旅をしながらその間落語をやるという仕事があって、あれは結構しんどい。
揺れる中で落語をやるっていうのもあるけど、一番きついのはお客さんが毎日変わらないこと。だからまくらも噺も変えなきゃいけない。
まくらでは、船のトイレの流れる音の物まねをしたり、船長の声真似をしたり…いろいろ工夫。

あと長旅だから乗客同士のいじめがあったりする。
いびきがうるさいとかなんとかメモを書いてそっと部屋に入れてきたりする。
自分も入れられたことがある。それには「大きな声の独り言が不気味」とあった。
いやこれは独り言じゃなくて落語の稽古なんです。何時からどこどこで落語やってるのでよろしければ見に来てください、とメモを書いた本人に説明した。
するとその方が落語を見に来てくれたんだけど、始まってまもなく出て行ってしまった。
どうしたのかなぁと思っているとまたメモが入り「あなたの落語は本番より稽古の時の方がうまい」。

…ぶわははははは!おかしい!!

そんなまくらから「宿屋の仇討」。
河岸のにぎやかな3人衆が夢花師匠と重なって、キャーキャーはしゃいでる様子が見ていてとっても楽しい。
静かにしろと何度も伊八を呼ぶ侍はなかなかの迫力で威厳もある。
伊八に注意されて最初は強気だった若い衆が「侍」とわかったとたんに体をひゅっと引っ込めてガタガタ震えて怖がるのも面白い。
相撲、色事の話、と最初は静かにしようと思ってるのにすぐにテンションが上がってきて大騒ぎになる楽しさ。
侍に威厳があるだけにぐるぐる巻きにされて一晩経ってからの展開がすごく面白くて楽しかった!
この噺、夢花師匠にとっても合ってる!


圓馬師匠「茶の湯
脱腸の手術をした時の話。
左、右、おへそのところ三カ所手術が必要だったんだけど、左右両方いっぺんに手術すると痛いよ~片方ならどちらかに逃げられるけど両方やると逃げられないからほんとに痛いよ~と医者に脅かされて片側とへそを手術した。
入院した病院は未婚で美しい看護師ぞろい。こりゃラッキーと思ったけど、失敗だった。
なにせ…手術のために毛をそらなきゃいけないんだけど、自分の場合片側だけ。それをうら若き未婚の美人の看護師に何度も何度も丁寧に剃られ…とっかえひっかえチェックされ…恥ずかしいのなんの。
中に一人だけ美人じゃない看護師がいて「君だ!君!君に決めた!僕には君!結婚してください!」と思った。
また片側に毛があって片側にないっていうのが…米朝対談を見ているとあの方の髪形とそっくりで…もう他人とは思えなくなった。

…ぶわははははは!!!おかしい!!
「君に決めた!」ってわかるー。場所が場所だけに若い美人揃いはむしろきついよなー。
私もそういう場合だったらイケメンじゃなくイケテナイメンがいい。
普段そんなことを言いそうにない圓馬師匠がそういうことを言うのがもうおかしくておかしくて。笑ったー。


そんなまくらから「茶の湯」。
いやもうこれがネタ卸しなのか、という安定感。
私この噺大好きなんだけど、案外ウケないというかエキセントリックに走りがちというか(それは私がエキセントリックな噺家さんでばかり見ているせいかもしれないが)…結構難しいんだなという印象があっただけに、最初から最後まで安定の面白さで…でも笑いすぎて疲れてくる、ということもなく、ほんとに楽しかった~。

ご隠居と定吉の仲の良さが出ているところが好き。
定吉がご隠居さんに近所の報告をするところとか、「ご隠居さんも何かやりましょうよー」と勧めたり、隠居が子供のころ茶の湯をやっていたけど忘れたと言うと「それ覚えてないんじゃないですよ。知らないんですよ」とはっきり言うところとか…。
主従の距離感はちゃんとあるけど遠慮がなくて仲がいい。
とんでもない茶を飲みながら二人で風流風流喜んでいるのも、下痢の件を経て「誰かほかの人にも飲ませましょうよー。私だけ生贄になるのはいやです」と定吉が言うのもかわいい。

長屋の3人に手紙が届いて全員が引越しを考える件も長すぎずコンパクト。
3人が茶を飲むところは、ぶわっと戻すのは最後の棟梁だけ、なんだね。
前の2人は我慢して普通に飲むのって初めて見た気がする。

最後にやってきた出入りの商人。
サゲにつながるシーンをゆっくりやったのにちょっと感動。
そうそう、ここが面白いところだから、やっぱりここは少しゆっくりやってほしいんだなー。
ってなんか「こうすればいいのか」という目で見てしまう自分がちょっとおかしかった。


小柳師匠「大工調べ」
小柳師匠、活舌が悪いしいつも自信なさげだよねぇ…と思っていたけど、がんばってはった。(なぜかここだけエセ関西弁)


昇乃進師匠「崇徳院
ここまでで実はかなり時間が押していたらしく(スマホ切ってたから気づかず)コンパクトにやります、と。
確かに全部がトリネタだもんなぁ。長くなるよね。
ちょっと聞いてる方も前半で燃え尽きた感があり…申し訳なかった。

終わってみれば21:40。1時間オーバー?!会場に怒られなかったのかな、少し心配。