りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

池袋演芸場6月中席夜の部

6/15(金)、池袋演芸場6月中席夜の部に行ってきた。


小遊三「置き泥」
~仲入り~
・真打昇進披露口上(竹丸、紅、蘭、夏丸、幸丸、小遊三
・蘭「樋口一葉
・紅「マダム貞奴
・幸丸「野口英世伝」
ボンボンブラザーズ 曲芸
・夏丸「神奈川宿


小遊三師匠「置き泥」
気の弱い泥棒と度胸の据わった泥棒に入られる男。
入られる方の男が剛毅で陽気なのが楽しい。

あーでも南なん師匠の「置き泥」がたまらなく見たくなった。あの暗さと明るさのバランスの妙。くーーー、見たい。


真打昇進披露口上(竹丸師匠:司会、紅先生、蘭先生、夏丸師匠、幸丸師匠、小遊三師匠)
竹丸師匠の司会がまるで大喜利と聞いていたのでちょっといやかも…と思っていたんだけど、とても楽しかった。
口上はあんまりふざけない方が好みだけど、これはこれで楽しくていいな。やっぱり昇進する二人にあまりに興味がない口上とか司会は不愉快なんだな、と思った。
竹丸師匠は幸丸師匠の家庭事情を暴露するほど(!)知ってるからこれはこれでありなのかな、と。

紅先生が竹丸師匠のペースに乗せられて?口が軽くなっていたのが面白かったな。


紅先生「マダム貞奴
中身がぎゅっと詰まっていて面白い。
紅先生、いいなぁ~!この披露興行の間、いろんな話をかけてくださって、講談っていろんなお話があるんだなぁ、と改めて。

夏丸師匠「神奈川宿
話し始めて、あれ?聞いたことがない噺?三人旅みたいだけど聞いたことないぞ、と。

神奈川宿に入った江戸っ子3人連れ。宿の客引きに声をかけられるが、このうち一人だけ昨年も旅をして神奈川宿で泊まった男がいてこいつが贔屓の宿があるかもしれないからその話を聞いてからでもいいか、と二人。
後から追いついたその男に「お前、泊まりたい宿はあるのか」と聞くと「実は因縁のある宿があるから自分だけそこに泊まりたい」と言う。
因縁ってなんだ?と聞くと「じゃ話を聞いてくれるか」と。

昨年5人連れで旅をした時にやはりこの神奈川宿で宿をとった。
その時、ひょうきんな顔をした女中から女を世話してやると言われた。
こんな田舎の女なんて…と思っていたのだが、やってきた女四人がみな驚くほどの器量よし。
それはいいのだが4人しかいないので一人あぶれてしまう。
それでその男が、男5人が部屋にいて女にお見立てしてもらおう、と言いだす。
すると見事に言いだしたその男があぶれてしまった。
自分が言いだしっぺだった手前文句を言うこともできず、しかし夜遅くなって悶々としてきて廊下に出て文句を言っていると、声をかけてきた女が。
話していると、夜中に自分の部屋に忍んできてもいいと言われる。
嬉しや!と思っていたのだがそのまま寝入ってしまい、気が付いた時には夜が明けていた。
しまった!と思いながら、でも夜這いならぬ朝這いだってオツなものと女の部屋に行ってみると…。


いやぁ…またこんな人を食ったような噺を披露目のトリでやるとは…夏丸師匠ってほんとに独自だなぁ。
真面目なんだか不真面目なんだか本気なんだか嘘気なんだかつかみどころがない。
でもたぶん真面目で本気なんだな。そして変化球しか投げないピッチャーみたいだけど意外と直球勝負なのかもしれない。

面白かった~。池袋演芸場にぴったりだったな。
最前列に座ったおばあさんは「え?どういう意味?わからない」って困惑してたけど(笑)。