りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

立川流日暮里寄席

6/4(月)、日暮里サニーホールで行われた「立川流日暮里寄席」に行ってきた。

・かしめ「子ほめ」
・寸志「庭蟹」
・吉笑「一人相撲」
・志遊「つづら泥」
・ぜん馬「粗忽の使者」
~仲入り~
・雲水「青菜」
・談四楼「三年目」
・談修「姐己のお百」

 

寸志さん「庭蟹」
「一文字違うのでシャレ」という言葉が理解できない旦那が、「一文字違いったってたいした違いがあるよ。手首と乳首では大きな違いが…」と言ったのがおかしかった。
寸志さんの「庭蟹」遭遇率が非常に高い。すごく面白くて大好きなんだけどほかの噺も見てみたいよー。


吉笑さん「一人相撲」
久しぶりの吉笑さん。なんと骨折してる!
閉所恐怖症の吉笑さん、MRIでパニックを起こさないようにと「子ほめ」を大声で。実はその声が聴かれていたって…ひぃー(笑)。
そんなまくらから「一人相撲」。
行司が真ん中から少し右側にいたことを、見に行った誰もが報告するのがおかしいし、その着眼点がいかにも吉笑さんらしい。
最後にたどり着いた奉公人の描写力にも笑った。


志遊師匠「つづら泥」
初めて聴く噺。
与太郎がつづらを持って兄貴分の家へやってきて、質屋に自分の物がたんと入っているから、ここに入れて持って帰ってきたい、という。
それを聞いた兄貴分がそれじゃ二人で泥棒に入ろうと計画。

質屋の前で「泥棒!」と大声をあげて、自分たちはつづらの中に隠れる。
店の人たちは慌てて出てきて店の前につづらがあるから、これも泥棒が盗もうとしたにちがいないと思いいったん蔵に入れる。
店の人たちがいなくなったところでつづらから出て蔵の物をつづらに入れてずらかろう、というのである。

ところが実際にやってみると、店の人たちがつづらを見つけて調べてみると「与太郎」の名前が。
親切な店の人たちが与太郎と兄貴分が入った重いつづらを与太郎の家へ届けてくれる。
そうとは知らない二人がつづらから出てきて与太郎の家とは気づかずに家の物を物色。
「これ、あたいが残した味噌汁だ。おかみさんったら味噌汁まで質に入れたのか!」。

楽しかった~。この師匠の淡々とした語りも好みだった。
初めて見た師匠と思ったけどブログを検索したら一度見たことがあったみたい。


雲水師匠「青菜」
上方版の「青菜」は旦那もざっくばらんであんまり風流な感じはしない。
雲助師匠の「青菜」はそれに輪をかけて風流じゃなくて、でももうすごい爆笑編で楽しかった!
お屋敷の奥方が三つ指つくところなんか「ジェンダーフリーのこの世の中、下手したら今の場面だけで禁演落語になりまっせ」には笑った。

談四楼師匠「三年目」
私はトリの邪魔にならないよう「軽く」と言いながら「三年目」。
談四楼師匠は前も立川流寄席の仲入りで「私は軽く」と言いながら「もう半分」をかけたことを、あたしは忘れないぜ!あれは結構なダメージだった…。

死んでいくおかみさんがとても色っぽい。
確かにこのおかみさんは亭主にぞっこんで、死んだ後に亭主が後妻をかわいがるだろうと考えて悶々としているというのも納得。
怖いけど悲しくてかわいそうででもちょっとばかばかしい。
楽しかった。


談修師匠「姐己のお百」
初めて聴く噺。
「姐己のお百」と呼ばれる悪女。
元芸者のみねきちが娘のおよしといるところをお百は助けるのだが、これはおよしの器量がいいのを見て吉原に売ってしまおうと悪だくみをしたから。
二人を家の二階に住まわせるのだが、ある時みねきちを「いい目の医者がいるから行っておいで」と言って家から出し、そのすきにおよしを吉原に二百両で売ってしまう。
幾分目の具合がよくなって帰って来たみねきちに、およしは踊りの師匠の家にいると嘘をつきごまかすが、みねきちが何度もおよしのことを問い詰めるようになると二階の梯子を外し折檻をするようになる。
いよいよみねきちが邪魔になったお百は、重吉という自分の亭主の子分にみねきちを殺すように頼む。

重吉は、およしに会いにつれて行ってやると言ってみねきちを連れ出して、川のちかくで惨殺する。
駕籠に乗って逃げ帰ろうとする重吉だが、駕籠はなぜか吉原に向かう。
娘およしに会いたいというみねきちの執念によるものなのか。

扉をたたく音にお百がどきっとして「誰か」と問うと「重吉」とのこたえ。
ほっとして扉を開けるとそこには重吉ではなくみねきちの幽霊が…。

だんだんホールの照明が暗くなっていき、一番怖いところで太鼓の音がしたもんで、思わず「ひっ」と声が出てしまった。
ここここわかったー。

談修師匠は以前「心眼」を見たことがあって、端正で好きだなぁと思っていたんだけど、今回は怪談。やっぱりとてもきれいで抑えた芸で好きだった。もっと見てみたいな。