りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

大江戸悪人物語2017-18(全8回)episode 6

5/21(月)、日本橋社会教育会館で行われた「大江戸悪人物語episode 6」に行ってきた。

・かな文「のめる」
・松之丞 慶安太平記より「鐡誠道人」
~仲入り~
・龍玉 真景累ヶ淵より 「勘蔵の死」

松之丞さん 慶安太平記より「鐡誠道人」
登山家の栗城さんが亡くなったことをうけて、twitterなどで「無謀だ」とか「登山家としてなってない」みたいな声が多いことに驚いたという松之丞さん。
一つには「死んだら仏」なのだから、その行為を批判するのはどうよ、という想い。
もう一つは、そもそも登山家って無謀なものなんじゃないの?という想い。

あーこれを言って、お客さんがすーーっと引いた感じが今ひしひしと伝わってきましたけど。
確かに、それほどの腕じゃないのに酸素マスクもつけずにエベレストっていうのは無謀だったのかもしれない。
でも考えてみたら私だってそうなんですよ、と。

自分が講談師になりたいと言ったとき、叔父が意見してきた。
その叔父さんは落語が好きで昔は先代馬生師匠の弟子になろうかと本気で考えたこともあったらしい。
だから自分は見る目があるからお前が講談師になれるかどうか見てやる、という。

見てやる言われても、まだ何もできないし。そもそも素人のおじさんに判断されるってなんなんだよと思って断った。

でも確かに考えてみれば、自分はそれまで人前で何かをやったことがなかったし、そんな経験がゼロのままで講談師を目指して弟子入りしようというんだから、それはかなり無謀なわけで。
そういう意味では無謀なんですよ、講談師も落語家も。

…わかる…。
でも今の松之丞さんがそれを言うと「これほどの逸材のオレ様だって、最初はどういうふうになるかわからなかったんだ」って…ちょっと嫌味に聞こえなくもない。何を言ってもそう聞こえてしまうのは、売れた人の宿命なのかも。

慶安太平記、今回は宗矩がクーデターのための資金を集めるために、悪だくみをする話。
鐡誠道人という乞食坊主がいたのだが、これが顔も体も真っ白の奇形。これに目を付けた宗矩が、信者を集めるだけ集めて一芝居打たないかと鐡誠道人に申し出る。
鐡誠が自分はもう早くあの世に行きたいから火あぶりになるが、その時にお布施の額に応じて信者の悪事も払ってやる、と言って莫大な金を集めるというもの。
火あぶりの時には、白木の棺桶に入るが、実は底が抜けるようになっていて、それが宗矩の弟子の家へ通じている。
死んだと見せかけて鐡誠は金を持ってそこから逃げていい、というのである。

集めた金で寺を建てるだの、仏教にはそういう教えがあるだのと、インチキを並べると、信じた信者の数が何十万にも及び、莫大な金が集まる。
そして本番では宗矩が抜け道を塞いで、鐡誠は焼け死んでしまう。

…ものすごい熱演だった。すごいとは思うけど私は正直ちょっと引いてしまった。私はどちらかというと押しが強くない方が好み。


龍玉師匠 真景累ヶ淵より 「勘蔵の死」
新吉は、豊志賀の怨念によって顔に火傷を負ったお累を不憫にも思い、大事にしようと心に誓う。
心を入れ替えて(というようなことばが出てきたけど、ちょっと違和感…。もともと新吉自体が悪人なわけではなく、豊志賀に幻を見せられて殺してしまったわけだから)妻に尽くす新吉に、兄の三蔵からの評判もいい。
臨月を迎えたお累を心配し、とにかく無理をしないように安静にと口をすっぱくして言う新吉。
そんな折、叔父の勘蔵が病気で伏せっているというたよりが届く。勘蔵が新吉に会いたがっていると聞き、お累のことを心配しながらも、叔父のもとに帰る。

長屋の人たちの看病をうけている勘蔵は、新吉の姿を見てことのほか喜ぶ。
そして「これを形見にとってほしい」と勘蔵が差し出したのが、新吉の迷子札だった。
勘蔵は、新吉が実は武家の次男坊であること、父親が悪い女に騙されて妻を惨殺しお家断絶となったこと、長男の新五郎は行方知れずになっていることを伝える。
そして自分は実はここの家の下男だったが、行くあてのない新吉を引き取り、叔父として育てたことを告げる。
もとは下男の分際で、ご主人様の子どもを時には殴ったりしたことを謝る勘蔵に、育ててくれたのだからあなたは私の真の叔父、と言う新吉。
勘蔵はほっとしたのかそのまま亡くなってしまう。

妻の体が心配ですぐに出立した新吉だが、出た日はあいにくの雨。
駕籠に乗ったのだが、疲れて寝入ってしまう。
そろそろ付いたかと聞けば、行っても行ってもなぜか小塚っ原に戻ってきてしまうのだと言われる。
焦れた新吉は雨が止んだこともあって駕籠を降りて歩き出すのだが、そこに声をかけてきたのがいかにも怪しい男。
追剥と思い恐れる新吉に向かって男は「あなたが落としたのではないか」と新吉の迷子札を手渡す。
迷子札の名前を見て「お前は生き別れた弟」と言う、この男こそ、兄の新五郎だった。

自分が今、羽生村で三蔵の妹と結婚し養子になったことを告げる新吉に、三蔵のせいで自分は女を殺し刑務所に入れられるはめになったのだと激高する新五郎。
言い争ううちに、新五郎は新吉を殺そうと切りかかってきた。
新吉が悲鳴をあげると、そこは駕籠の中。
今までのことは夢だったのかと呆然とする新吉が駕籠を降りてみればそこは小塚っ原のお仕置き場。捨て札を見るとそこには「新五郎」の文字が。
ではあれはただの夢ではなかったのかと恐れる新吉。

新吉は羽生村に帰り、ほどなくお累は子どもを産むが、その男の子は新五郎に顔がそっくりであった…。

…ひぃーーー。もうこわいこわいこわいよー。
お累のお腹に子どもが…と聞けば、きっとこれは呪われた子だから、とんでもない状態で生まれるに違いないと思うし、叔父さんの家を雨の中出ていけば、出てくるよ豊志賀がまた。誰か殺すようなことになるよと思う。

今回は珍しく誰も死ななかったけど、次回は因縁が因縁を呼ぶおそろしい噺らしい。えーーーん。こわいようーー。
話を知らないからもうほんとに出るか出るかとドキドキしながら聞いてる。

それにしても人気のこの会。毎回いたちやさんのMLの先行予約でチケットを買っているんだけど、次回のチケット、申し込みをしてお金を払うのを忘れるという痛恨のミス。「振込みされませんでした」というメールが届いて、慌てて振り込もうとしたらもうこの時点でアウト。なんと「当メールが届いて以降お振込いただいても、ご対応できかねますので何卒ご了承ください。また、今後先行予約をご利用いただけませんので、ご理解ください。」とのことで、ショック…。

この会はお友だちと一緒に行ってるからとりあえず最後まで行くかとは思うけど、これから先いたちやさんの会にはもう行かない(行けない)かも。とほほ。