りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

末廣亭4月下席昼の部

4/28(土)、末廣亭4月下席昼の部に行ってきた。


・ぐんま「たらちね」
・ほたる「真田小僧
・ニックス 漫才
・一花「やかん」
・萬窓「宮戸川(上)」
・楽一 紙切り
・勢朝「袈裟午前」
・歌武蔵 いつもの
笑組 漫才
・清麿「某私鉄駅長会議」
文楽「悋気の火の玉」
・紋之助 曲独楽
馬風 いつもの
~仲入り~
・三語楼「代書屋」
・わたる 漫談
・一九「そば清」
・南喬「鮑熨斗」
・仙三郎社中 太神楽
小満ん「笠碁」


一花さん「やかん」
中高とのんびりした女子校で、先生もほとんどが女性という環境にいました、と一花さん。
女の先生で小林先生(だったかな)という先生がいまして、すごく声が小さくて普段は何を言っているか聞きとれるか聞き取れないか。それが小林先生が一度だけ大きな声を出したことがあって今も忘れられない思い出になっています。
今日も先生の授業が始まり…「ほにょほにょほにょほにょ…」(小さい声)…今日も何を言ってるか聞こえない…。
その日は教室の暖房が壊れてしまってもう授業どころではない寒さ。みんなで寒がって教室が落ち着かない雰囲気になった時、後ろの方にいた生徒が「先生!」と手をあげて「寒くてたまりません」と言うと、それまでほにょほにょ言ってた先生が「わかります。わかってます。寒いですね。でもこういう時寒さを忘れる方法があります。それは大きな声で”暑い!暑い!”と言うのです。さあ、言いましょう。”暑い!”」「はい!暑い!」
先生と一緒に大きな声で「暑い!」とやってるうちに、箸が転がってもおかしい年頃の生徒たち、なんか楽しくなってきて笑えてきて気が付いたら寒いのも忘れて温まってきた。

次の日、同じ小林先生の授業、入ってきたのは教頭先生。
え?と思っていると「小林先生は風邪を引いて今日はお休みです」。
先生…やっぱり寒かったんですね…。

…わはははは。
かわいい…ほんとにかわいい一花さん。たたずまいのかわいらしさと清潔感がたまらない。
そんなまくらから「やかん」。
落語をやる楽しさがあふれ出るような高座で清々しい~。
川中島の合戦のところで八五郎が「どうでもいいけどなんでそんな大きな声を出すんですか」と聞くと先生が「これぐらい大きな声を出さないとニツ目になった気合が伝わらない」。わはははは。

爽やかな「やかん」だった。あーいいなぁ、一花さん。


萬窓師匠「宮戸川(上)」
よくやられている「宮戸川(上)」と微妙に違う。
例えば半ちゃんがおじさんの家に行くときに走り出してお花ちゃんに追い抜かされたりしない。あとお花ちゃんが半ちゃんに迫るようなところもない。
私はこの方が好きかな。
好きだな、この師匠。もっと見たい。


一九師匠「そば清」
清兵衛さんのそばを食べるスピードがすごい速くて笑ってしまう。ほんとにそばが吸い込まれていくみたい。
赤い実が食べたものを消化させるのではなく人間を溶かす草という説明はなかったけど、それでも十分面白さが伝わった。

南喬師匠「鮑熨斗」
甚べえさんが「おかみさ~ん」とちょっと震える声で言うのがたまらなくおかしい。
お金を借りに行った先で全部喋っちゃって「あーあ、全部喋っちゃいやんの。長生きするよ。俺だからいいけど他のやつには言わないほうがいいぜ」と言うの、楽しい。

「お祝い持って行って1円もらって半分を返して」と言うと魚屋さんも同じように「そういうのはもらってから考えた方がいいよ」と言うのもおかしい。

大家さんところに行ってからの口上、「承りますれば」が言えずに「うけうけうけけけけけ…」「蛙?」とか「本日はお茶殻もよく」「山本山?」もおかしい。
最後までやらなかったけど、最初から最後まで楽しかった!


小満ん師匠「笠碁」
小満ん師匠が「笠碁」って、なんか意外。初めて見た気がする。
ご隠居同士が結構きつめの感じで、両方とも大店の旦那で対等な雰囲気。
笠をかぶって顔をぴょこぴょこさせるの…小満ん師匠がこういうふうにやられるんだ!ってそれにも驚き。
二人で碁をやりたい気持ちが伝わってきてよかったなぁ。
楽しかった~。