りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

さん助ドッポ

4/25(水)、お江戸両国亭で行われた「さん助ドッポ」に行ってきた。

・さん助 初代談洲楼燕枝の述「西海屋騒動」第十八回「長脇差(ながどす)稼業」
~仲入り~
・さん助「おせつ徳三郎」

さん助師匠 「西海屋騒動」第十八回「長脇差(ながどす)稼業」
「この間久しぶりに高校の同窓会がありました」とさん助師匠。

私の学校の同窓会は25周年目と45周年目と在校生が一緒にやるんです。
ものすごい大人数なんだけど在校生が玄関のところにいて会場まで案内してくれる。
会場は25年と45年で分かれていて、連れていかれるときにちょっといやな予感はしたんです。なんかその女子高生が私に対してやけにいたわるような感じだったので。
そうしたら案の定45年の方に案内されました。
45年って…62歳ってことですよ?!

同窓会、8年ぐらい前にもやっててその時はみんなでバカ話をしてたんですけど…今回は血圧が高くなっただの痛風になっただの親の介護がだの…そんな話題ばかり。
そしてみんなが私にかける言葉が決まってます、一人や二人じゃないんですから。みんながみんな「お前、変わってないな」。

…変わってますよ!間違いなく!
それなのにそう言わせてしまう…私がそう言わせてしまってる…。

…ぶわはははは。すごいおかしい~。
んだけど、なんかさん助師匠、疲れてる?元気がなくてトーンが暗くて声も小さくて息もたえだえ。
せっかくのおいしいネタなんだから、もっと明るく元気よく!
反対俥のさっき退院してきたばかりのじじい俥屋じゃないんだから!
じじいがじじいっぽくしてたらただのじじいになっちゃっておもしろくもなんともないでしょ!(←ひどい)

そんなまくらから「西海屋騒動」第十八回「長脇差(ながどす)稼業」
蝶兵衛のところに相模灘の五郎太が訪ねてきて、大事な話があるから人払いをしてもらいたいと言う。
なにごとかと思えば、「蝶兵衛親分が昔ご執心だった舞扇のお静が男と二人で木更津に来ている。親分はいまもあの女を自分のものにしたいと思っているのではないか」と尋ねる。
蝶兵衛が「面目ないがその通りだ。骨を折ってもらえたらお前と兄弟分の杯をかわしてやる」と言うと、「お静には男が付いているが優男でたいしたことはないだろうから脅しつけて追っ払って親分のもとに連れてきます」と約束する。

蝶兵衛の使いで五郎太という男が訪ねてきたと聞いた義松は待っていた相手が来たとほくそ笑むがそんなことはおくびにも出さない。
五郎太が「蝶兵衛親分がお静を欲しがってるから別れろ」というと、しばらく考え込んでいた義松。「別れないと言ったら私を殺すつもりなのでしょう。でしたら百両下さい。百両もらえたら私は一人この地を離れます」と言う。
五郎太から首尾を聞いた蝶兵衛は大喜び。早速お静を家に迎え入れる。
お静は手練手管を使って蝶兵衛を骨抜きにする。

蝶兵衛の誕生日の前日、お静は義松に手紙を書き、それを読んだ義松は「時来たり」と喜ぶ。
誕生日当日、子分が大勢集まって飲めや歌えの大騒ぎ。
お静に踊ってほしいと言い出す子分たち。お静は得意の舞を披露する。
蝶兵衛が酔っ払って寝入ってしまうと、そっと部屋を出たお静は義松と三蔵を手引きする。
二人が長脇差を抜いて蝶兵衛に突きつけると、蝶兵衛はお静に刀を寄こすように言うが、お静が刀を渡した相手は義松だった。
義松に刺されて蝶兵衛は死に、騒ぎを聞きつけた子分たちが集まってくるが、それも義松が脅しをかけるとあっという間に義松を「親分」と呼びひれ伏す。

この場にいない常五郎と団次には「自分の子分になるなら良し、文句があるというならいつでも相手をしてやると伝えろ」「賭場は三蔵に引き渡せ」と言う義松。

…まぁとんとん拍子にうまくいくこと…。
そもそもそんなに簡単に任侠になれちゃうもんなのかね…。
そんでいい親分がお誕生日会って!いい年して!油断しすぎでしょ、蝶兵衛。仮にも親分と呼ばれる身ならもう少しさー…。ちっ。
三蔵はお静が体を汚すことをしきりにすまながるんだけど、義松が「俺とお静はそんじょそこらの仲じゃないんだ」ですて!
そんじょそこらの仲だろうが!なんやねん!

さん助師匠が「この噺…女性の好感度ゼロ…」って言ってたけど、ほんまやで。


さん助師匠「おせつ徳三郎」
何年か前にもドッポで「おせつ徳三郎」をかけたことがあったけど、その時の方がよかったような…もごもご…。
何かこう…全体的に暗くて、定吉は確かにあの時もさん助師匠のいつもの定吉とは違っておとなしめだったけど、あの時はすごくよかったんだけどな。奉公人の切なさが出ていて。
私がこの噺をあんまり好きじゃないのもあったとは思うけど、西海屋がああいう噺だから、せめてもう一席はばかばかしい楽しい噺がよかったなぁ。

次回はもっとピカーっと内側から光り輝くさん助師匠の落語が見たい。