りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

末廣亭3月下席夜の部

3/27(火)末廣亭3月下席夜の部に行ってきた。

・文月「転失気」
・Wモアモア 漫才
・米福「代書屋」
・歌春「鮑熨斗」
ボンボンブラザーズ 曲芸
・蝠丸「昭和任侠伝


米福師匠「代書屋」
嫌いな噺なのにとても面白くてびっくりした。
代書屋がお高く止まってる感じがなくて、この男にあきれながらもトンチンカンな答えからどうにか落としどころを見つけようとしているところに好感が持てる(笑)。
あと頼みに来た男の方もトンチンカンだけどそんなにわけのわからないバカっていうわけでもなく、おっちょこちょいで気のいい男なところも好きかな。
ものすごいデフォルメされてないけどかみ合わない会話の楽しさだけで笑えて心地よかった。

 

歌春師匠「鮑熨斗」
この師匠いつもおんなじまくら(楽屋が好き、バブ)で全然落語やらないよなぁ…と思っていたんだけど、まくらに比べると落語があんまりおもしろ…もごもご…。


蝠丸師匠「昭和任侠伝」
この日は桟敷席に小学生の男の子がいたので、みなさんわりとわかりやすい噺。
ボンボンブラザーズの帽子投げ、男の子がほんとに真剣にやっていて無事にかぶれた時は拍手喝采。かわいかったー。落語もちゃんと聞いていてケラケラ笑ってるのもかわいくて。
蝠丸師匠も「今日は吉原の噺をしようと思ってたんですけどね。桟敷におぼっちゃんがいるからね。吉原の噺はさすがにね…」と。
直接話しかけるのも蝠丸師匠は口調も穏やかだからいいなぁ。やさしさがあって。
子どもって基本的にいじられるのすっごく嫌いだと思うから、芸人さんがいじりだすとかわいそうでドキドキしちゃう。
でも芸協のこの日の寄席はいい雰囲気だったなぁ。

「で、なにやろうかいろいろ考えたんですけどね、私が好きな昭和の映画の噺を」ということで「昭和任侠伝」。
青森出身の蝠丸師匠。当時町に映画館が4軒あって、自分は特に松竹が好きでよく見に行った。
あと見世物小屋も年に一度は来ていた。
だけど寄席はなかったですね。もし寄席があったら通ったと思うんですけどなかった。
だから私の故郷で噺家を見ることはなかった。
でも蛇女は見てたんです、年に一度。だから噺家の方が蛇女よりレアだったんですね。
そんなまくらから「昭和任侠伝」。

いかにも弱そうな八百屋の息子が任侠映画にかぶれて「けぇってきた(帰ってきた)」とか「行ってくらぁ」とか健さんの真似をするのがおかしい。
まくらで言っていた山田洋二監督の映画に「栄養失調の人」の役で出たという蝠丸師匠と主人公が重なって見えて笑える。
なにより師匠が楽しそうで、見ていて幸せな気持ちに。

楽しかった~。末廣亭の夜席はいいなぁ。