りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

第2回 小里ん 小燕枝 龍志 三人の会

2/9(金)、東洋館で行われた「第2回 小里ん 小燕枝 龍志 三人の会」に行ってきた。

・小多け「道具屋」
・小里ん「三人兄弟」
・龍志「小言幸兵衛」
~仲入り~
・小燕枝「二番煎じ」


小多けさん「道具屋」
儲かった銭で天ぷら食べてもいいなとつぶやきながら天ぷら屋を見ていた与太郎さんが「天ぷらやーーー」と大声を出したのが妙におかしかった。


小里ん師匠「三人兄弟」
楽しい!
道楽者の三兄弟が二階で軟禁状態になっている。
どうにか親父の目を盗んで遊びに行こうと長男が出かけようとするところを見咎められて仕方なく「庭にある奉公人用の手水に行くところ」とごまかす。
用を足していると知り合いの善公が通りかかったので声をかけて、夜中に二階に梯子をかけさせることを約束。
夜になってこっそり出ようとするのを次男が見つけ、自分もそそくさと下に降りる。
兄貴二人が出て行ったこともしらない三男は自分の遊びを一人で語る。

こういう一人で妄想を語る噺、好き。
三男の語る吉原の遊びの噺は意外に淡白というか、のろけてはいるんだけどさっぱりしていて(え?そんなんで「たまんねぇ」なの?)それも面白い。
小里ん師匠、この噺はあまり普段されてないのかな感があったけど、楽しかった!


龍志師匠「小言幸兵衛」
前座のころの思い出。
あの圓生師匠のめくりをめくり忘れて「サンキュー照代」のままにしてしまったことがある。
客席がざわついてそれに気づいた圓生師匠が「あたくしがサンキュー照代です」と言って大盛り上がりだったんだけど、戻ってきて前座全員集められて「この無礼者!」と怒られた。
面と向かって「無礼者」と言われたのは後にも先にもあれっきり…。

あとやはり前座の頃に先代のさん助師匠が高座に上がっていて、さん助師匠は落語のサゲを言った後に「…というお噺でした」と言うのが決まり文句だったんだけど、楽屋にもどってきたらそこにいた先代の小さん師匠が「てめぇ…サゲを言った後にとやかく言うもんじゃねぇんだ」と小言。
60過ぎても立派な真打になっていてもまだ小言を言われるんだな、と思った、と。

そんなまくらから「小言幸兵衛」。
いやこれがもう最初から最後までほんとに面白くて笑い通し。
この噺好きじゃないんだけど、こんなに楽しいってなに?!
幸兵衛さんが楽しんで小言を言っているのが伝わってくるし、なんといってもおばあさん!こんな小言好きな亭主を持ちながら、小言を言われてふくれっつらをしてブツブツ文句を言ったり、「布団をだせ」と言われてお布団を出してきたり、それを「俺とこの人が二人で寝るわけじゃねぇんだ。…飲んでないときはやらねぇんだ」って…もう最高。

口調がよくてテンポがよくて顔がいいから(!)全然意地悪な感じがなくてほんとに楽しかった~。かっこよかった~。


小燕枝師匠「二番煎じ」
この噺、好き~。
大旦那が集まっての火の用心の見回り。
寒いからと鳴り物を着物の中にしまっちゃってたり、奉公人は今頃あったかい布団にくるまってるというのにと愚痴を言ったり…。
吉原にいたころののろけを番小屋についてもまだしているのがおかしくて大笑い。

帰ってきてからの酒盛りも、お酒おいしそう~しし鍋おいしそう~。
見回りに来た役人の酒を飲むペースのはやいこと。たしかにあれじゃ全部飲まれちゃう。

この3人で面白くないわけがないと思ったけど、ほんとに全部面白くて大満足。よかった!