りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

さん助ドッポ

1/31(水)さん助ドッポ

・さん助 初代談洲楼燕枝の述「西海屋騒動」第十五回「雪駄と駒下駄」
~仲入り~
・さん助「藪入り」


さん助師匠 初代談洲楼燕枝の述「西海屋騒動」第十五回「雪駄と駒下駄」

いつものように立ち話。
エアコンをつけっぱなしにして寝たら、おでこから上のエリア(笑)がカピカピになって皮がめくれたというのには笑った。やっぱり髪の毛っていろいろ保護してくれてるんだな、と。ぶわははは。
…だけど、さん助師匠、なんか目が赤くて顔が腫れぼったくて全体的に元気がないなぁ。

昔巨人に斎藤っていうピッチャーがいたんだけどこの人がいい時と悪い時の差が激しくて、それが出てきたときの顔を見れば一発でわかる。
目が腫れぼったくてむくんでる時はボコボコに打たれる。
目がぴかっと開いているときは打たれない。
今日のさん助師匠は打たれる時の斎藤の顔だなぁ…。
って失礼だな、おい。

好きで追いかけて見すぎているとつい余計なことを考えるようになっちゃうんだよね、客の方も。
この間twitterで流れて来たリツィートに「ファンも過ぎると批評家になりがち」というのがあって、ああそうだ、私もそうなっているかもしれない。ファンはファンなのだから「もっとこうすればいいのに」とか「今日は悪さん助(調子の悪いさん助師匠)だな」とか「この噺は合ってないのでは」とか「そこの部分いらなくね?」とか「なぜ私が行くと不動坊しかやらないのだ?何かの罰なのか?」とか考えずただ楽しめばいいのだよな…。素人なんだから。

「西海屋騒動」第十五回「雪駄と駒下駄」
お静と義松は割りない仲になり、隠れて逢瀬を重ねる。
別宅を構え、そこにお気に入りの女中おつねを連れて行き義松を呼び入れるお静だったが、これが噂になりついに清蔵の耳に入る。
清蔵がお静を問いただすと「世間がどんな噂をしているかしれないがそんなことは決してない」と否定。
清蔵はお静に「悪かった」と謝り「今晩は一緒に寄席にでも行かないか」と誘うが、お静は頭が痛いので今日はやめておきます、それならばおつねを連れて行ってやってくれと頼む。

おつねと家を出た清蔵は人気のない場所におつねを連れて行き「お静と義松はできているのだろう?」と尋ねる。
おつねが白状すると、(清蔵は)寄席に行く途中でお客と会い今夜帰らないとお静に言うように頼む。
おつねからそう聞いたお静は義松を家に呼びだすのだが、そこに清蔵が帰ってくる。
義松は慌てて部屋を飛び出し川へ飛び込む。
一方帰ってきた清蔵は「一人で寝ているはずなのになぜまくらが二つある?」とお静を責める。
お静は「これはあなたが帰ってきた時のために温めておいた」などと言ってごまかす。

それからしばらくたったある日、人目を忍んで歩く義松に洗濯屋のお竹ばあさんが声をかける。
この洗濯屋のお竹はお静と義松の逢瀬に場所を貸していた?らしく、二人の仲を知っている。
お静は結局全てをおつねのせいにして、おつねと義松ができていて二人が別宅で逢瀬をしていることを自分は知らなかった、と清蔵に説明。清蔵も一応はそれを受け入れたらしい。
だがこのことがあってから、お竹がそういう場所を与えたりするから店の風紀が乱れると出入り禁止になってしまった、と。
それを聞いた義松が「それはすまないことをした」と言ってお竹にいくらかお金をやると、お竹が「それより面白い話がある」と言う。

何かと聞けば、こういうことがあってから清蔵も質屋の後家のおしげと隠れて会うようになった。
なんでももともと二人はいい仲だったのだがそこにお静が現れておしげは棄てられた。しかしその後も彼女の方は復縁をのぞみ機会を伺っていた。
こういうことがあって焼け木杭に火が付いたのだ、と。
それを聞いた義松は「これはゆすりに使える」とほくそえむ。

義松がお竹と別れて歩いていると、清蔵とおしげとお付きの者が3人で歩いているところに出くわす。(イッツアスモールワールド!)
後をつけると、小料理屋に入る3人。人目を忍ぶように表からではなく裏から入るのについていき、二人の雪駄と駒下駄を1足ずつ懐に入れ、立ち去る。

後日、義松は西海屋の近所?の質屋を訪れる。
質屋の番頭は義松に「女中(おつね)といい仲になって店をしくじるとはお前もばかだね」と軽口をたたく。
しばらくは和やかに話していたが、義松が「これを二百両で買ってくれ」と雪駄と駒下駄を出すと、番頭は「こんなかたちんばには1文も出せない」と言う。
そう言われたとたん義松は「俺が何の理由もなくこんなものに二百両出せと言うと思うか」とすごむ。
これは清蔵とこの店のおしげができてることの証拠だ、黙っていてほしければ二百両出せ、と脅す。
それを聞いた番頭は自分の一存では決められないから待っていてくれ、と部屋を出ていく。

しばらく待っていても誰も来ないので義松が大きな声を出して中に入ろうとすると、そこへ現れた大男。
これが御用聞きの重右衛門。
力づくで義松をねじ伏せ、「これをくれてやるからとっとと帰れ」と義松の袖に十両をねじ込む。
質屋を追い出され、「いつか仕返しをしてやる」と誓う義松であった。


「西海屋騒動」は上下巻に分かれていて、上巻は義松とのことをお静に問いただした清蔵がおつねと二人で出かけていくところをお静が見送るシーンで終わるらしい。
最初、下巻があると知らなかったさん助師匠、こんな半端なところで終わるとは…なんて斬新な終わり方なんだ!と思ったらしい。

…ぶわはははは。そりゃあんまりすぎるよー。いくら話が破たんしているとはいえ。
いやしかし…悪いなぁ、どいつもこいつも。そして悪いなりに魅力があればまだしも…むごごごご…。
そして、清蔵が主役なのかと思ったらまた義松が活躍?し始めて。相変わらず視点が定まらない。
こんな噺に取り組んでいるからさん助師匠元気がなくなっちゃうんじゃないだろうか…。
って余計なお世話だな、これこそが。ガンバレー。


さん助師匠「藪入り」
おかみさんが子どもができたとくまさんに告げるところから。
子どもがほしくてしょうがなかったというくまさんは「早く出せ」と大喜び。
それから出産の時を迎え、大慌てでお産婆さんを呼びに行くくまさん。お産婆さんはかなり年のおばあさんで悠々としているのを早く早くと急かして連れてきて大騒ぎの後に男の子を出産。
この子が小学校を卒業すると奉公へ。
奉公へ行く日のやりとりなどがあったあと、「藪入り」の前日の夜。

…いつも聞く「藪入り」は前日の夜から始まるのでちょっとびっくり。
こういう前段があったのね。

待ちわびたかめちゃん(だったっけ?記憶がおぼろげ)が帰って来てあまりに大人びた挨拶をするので、変な敬語になっちゃうくまさんがかわいい。
そしてさん助師匠のかめちゃん、かわいい。つるっとしてて。
手紙をもらって本当に喜んでいるけど、実はくまさんは字が読めないって…初めて知ったよ。
あとくまさんが我慢できずに奉公先をこっそり覗きに行ったっていうのも。

おかみさんががま口からお金を見つけて頭にかーっと血が上ったくまさん。
くまさんにポカリとやられて、それまで大人びた口調でしゃべっていたかめちゃんが子どもっぽくなるのが泣ける…。

それでもやっぱりなんかさん助師匠に元気がないのが気になる…。
早く内側からピカーっと明るいさん助師匠の落語が聴きたいな。外側は十分ピカーっとしてるんだからさ(←余計なひと言)。