りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

末廣亭11月中席夜の部

11/15(水)、末廣亭11月中席夜の部に行ってきた。

・たま平「牛ほめ」
・さん助「京見物」
・ぺー 漫談
・小はん「親子酒」
・さん福「権助魚」
マギー隆司 マジック
・小団治「ぜんざい公社」
・南喬「粗忽の釘
~仲入り~
・喬之助「締め込み」
笑組 漫才
・圓太郎「浮世床(本)」
・左橋「目黒のさんま」
・勝丸 太神楽
・左龍「百川」


たま平さん「牛ほめ」
昨日、時間が押していてイライラしたので、この日は前の日より20分遅く入ったら、すでにたま平さんの高座の最中だった。
汗だくの熱演。
ニツ目昇進の高座だから気合が入ってるんだね。
昨日は「つまらないまくらを長々とやりやがって」なんて思ってすまなかった!


さん助師匠「京見物」
まくらなしで江戸っ子が旅をしているところから始まったので「お、二人旅か」と思っていると、京都にやってきた江戸っ子がやいやい言っていて、一人が「京都の名物と言えば水になんとかにかんとかに(全然覚えてない)…京女」。
それまで疲れた疲れたーばかり言ってた男が急に大きな声で「え?なに?女が名物なの?!」
「なんだお前、女と聞いたら目の色が変わったな」
「そうだよ。おれ、女と聞いたら元気になっちゃうの。女がどうしたの?どこにいる?いい女は?女女女!」
「お前落ち着けよ。京都は水がよくてその水で洗うから京都の女はすべからくいい女だ」
「え?待って。それおかしくない?だって同じ水で洗うんだから男もいい男になるはずだよ」
「そ、それは…それはだな…男は湯に入るときもドボンと入ってすぐ出ちゃうけど、女はゆっくり入って丹念に体を洗ったり顔を洗ったりするからきれいになるんだよ」

そんな話から、二人でお湯へ行っていい男になって、それから京女に面を見せようじゃないかということになり、お湯屋はどこか聞いてみろ、ということに。
「あそこにどこぞのおかみさんが立ってるからそこに行って聞いてこい」と言われた男。
「え?おかみさん?…あ、あれ?おかしいよ、京女だけどきれいじゃないよ。なんかひどいよ」
「うるさいな。そういうのもあるんだよ」
「おかみさーん、おかみさーん」
「おい、おかみさんっていうのは失礼だよ。呼び方があるんだよ。ほらなんていったっけ、おいはん、とか」
「おいはーんおいはーん、お湯屋さんはどこ?どこにある?」

そこからは京言葉がわからない男たちがおかしな意味にとって、最終的には八百屋で丸裸になるという…とにかくばかばかしい噺。
あとで調べたら、祇園会の導入部分?みたい。
聞いたことがない噺に当たるとすごくうれしい!楽しかった!


小はん師匠「親子酒」
お酒のまくらから「親子酒」。
正直「親子酒」はおそらく寄席で一番多く聞いてる噺で普段だったら嬉しくもなんともないんだけど、小はん師匠の「親子酒」はほんとにチャーミング。
1本だけの約束で飲んで、もう一本と頼むときに、「お酒も一人じゃ寂しいでしょ」というのがもうほんとにかわいくて。
こういうかわいさって出そうと思っても出せないものだよなぁ、としみじみ。


小団治師匠「ぜんざい公社」
小団治師匠、いつ見てもオリンピックのまくらとこの噺だなぁ…。「ぜんざい公社」、全然おもろないのに…。他の噺を聴きたいなぁ。


南喬師匠「粗忽の釘
聞き飽きた噺がなんでこんなに面白いんだろう。
粗忽ぶりもそんなにハイテンションではなくナチュラルな感じで、でもそれがするっと抜けてる面白さ。
おかみさんとの会話とか、訪ねて行った家の人との会話とか、すごくありそうな感じで、なのにすとーんと抜けてるからたまらなくおかしい。

「なんの用でいらしたんですか?」
「いや。用ってほどのもんじゃないんですよ」
そのやりとりだけですごくおかしい。不思議だなぁ。

見るたびに、この師匠の落語がものすごく好きだ、と感じる。うおおおー。


圓太郎師匠「浮世床(本)」
前に見た時は本を読みだす時におしりをやたらともぞもぞしていたんだけど、今回はそれほどおしりはもぞもぞしてなくて、でもそのかわり顔が…口がふにゃっと不自然に曲がっていくのがもうおかしくておかしくて。
聞きたがってる男たちがからかってやろうとしているわけじゃなく、ほんとに読んでもらいたがってる真剣さとの対比がすごくおかしかった。