りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

小んぶにだっこ

11/9(木)、落語協会で行われた「小んぶにだっこ」に行ってきた。

・小んぶ「真田小僧
~仲入り~
・小んぶ「らくだ」


小んぶさん「真田小僧
自分は千葉のベッドタウンで育ったのだけれど、当時その町で昼間からぷらぷらしている大人はいなかった、と言う小んぶさん。
みんな何かしら仕事をしていて、昼間ぷらぷらしている大人はかなり目立ってしまっていた。
友だちのお父さんにそういう人がいて、小学生の時にちょっとませた子が「お前の父ちゃんってなにしてるの?」と聞くと、その子はちょっと困った様子で「ええと…釣り」。
「え?じゃお父さんって漁師?」
「いや…そういうわけじゃない…」
みたいな会話があった。
そのお父さんは昼間から自転車に乗ってぷらぷらしていて、子どもに声をかけたりしていた。
今思えばそれは定職についてないダメな大人だったわけで…でも当時自分はそういうことはわからなかった。

今の私。平日の昼間、仕事があるときもあればないときもある。
ないときでも家でごろごろしているのはよくないと思い、稽古をするようにしている。
アパートで稽古をすると近所迷惑になるのでたいていはカラオケボックスに行く。
でもこれが何日か続くと、カラオケボックスに行くのが嫌で嫌でしょうがなくなる。
でも稽古しなきゃいけない。
それでどうするかというと、カラオケボックスに行くまでの間に、いろんなコンビニ立ち寄って何か買っては食べる。
ファミチキを買って表で食べて、また別のコンビニでフランクを買って表で食べて…。
東京っていうのはいいところで、自分が育った町と違って、平日の昼間に大人がブラブラしていても誰も気にしたりしない。
そんなふうにしていて、はっと気づいた。
自分はあの時の何もしてない友だちのお父さんと一緒だ!と。

…ぶわはははは。
もう小んぶさん…何を言い出すかと思ったら…!
ほんとに小んぶさんのまくらは面白い。なにかこう…普通じゃないんだよな。

そんなまくらから「真田小僧」。
金坊の押したり引いたりが、小んぶさんらしいひねりがきいていて、おかしい。
生意気な口をきいても、不思議と憎らしくないのがいいな。


小んぶさん「らくだ」
おおお、らくだ!そう来たか!
体の大きな小んぶさん。兄貴分をちょっと大きな声でドスをきかせると、すごく怖い。
対する屑屋さんがいかにも気が弱く、いつもの小んぶさんらしい「逆らわない」キャラクター。

後半の立場が逆転するところも楽しくて、よかった。
あともう少しこう…最初の部分でメリハリがあるともっと後半が引き立つ気がするな。
これは何かこう小んぶさんの新たな一面が見えていいのでは!がんばれ、小んぶさん!