りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

鈴本演芸場11月上席昼の部 二代立花家橘之助襲名披露興行

11/3(金)、鈴本演芸場11月上席昼の部 二代立花家橘之助襲名披露興行に行ってきた。


・やまと「子ほめ」
・仙三郎社中 太神楽
・歌橘「お血脈
・柳朝「芋俵」
・にゃん子・金魚 漫才
・歌る多「宗論」
・歌武蔵 いつもの
・圓太郎「化物使い」
・アサダ二世 マジック
・一朝「芝居の喧嘩」
・歌司「小言念仏」
~仲入り~
・襲名披露口上(一朝:司会、橘之助、歌司、市馬)
・楽市 紙切り
・市馬「目黒のさんま」
・橘之助 浮世節


歌橘師匠「お血脈
見たことあるけど、自分のブログを検索しても出てこなかった…。
断食道場で14キロ痩せて、解放されて駅前の松屋でたらふく食べてその時点ですでに4キロリバウンドした、っていう話がおかしかった。
でもなんかいつも必ずこれをやっているような気がしなくもない。


歌る多師匠「宗論」
キリスト教かぶれるのが若旦那じゃなくてその家の一人娘なんだけど、娘になったからっていってどこも面白くなっていなくて、というか入れてる工夫が全て全然面白くない。
すごいな、ここまで面白くないのって。でもこれが面白いっていう人もいるんだよね、きっと…。
別にこの師匠に対して思うところは何もないんだけど、下手じゃないのにこんなに面白くないと逆になんだろう?と不思議になってしまう。
いつかこの師匠の落語でくすりとでも笑える日が来るのかしら。


圓太郎師匠「化物使い」
ようやく…ここにきてようやく落語で笑った。長かった…。途中で何回も気を失った。私にしたら珍しく。
圓太郎師匠もそんなに好きなタイプの噺家さんではないのだけれど、いやぁ…面白かった。当社比120%ぐらい面白く感じた。
人使いの荒い旦那と息がぴったりあった田舎から出てきた奉公人が、「それをおらが村ではホスピタリティと言うだ」がめちゃくちゃおかしくて大笑いだった。

一朝師匠「芝居の喧嘩」
「なにを~?」とあちこちで喧嘩が持ち上がるおかしさ。
この噺を面白く聞かせられるのって一朝師匠以外思い浮かばない。


歌司師匠「小言念仏」
小言を言う時に木魚を止めちゃうのが気になってしまう。そこは止めちゃダメでしょう!って私は何様だ。
小三治師匠の小言念仏を聞きすぎているせいかも。


襲名披露口上(一朝師匠:司会、橘之助師匠、歌司師匠、市馬師匠)
一朝師匠 橘之助師匠のことを入ってきたときからかわいくて、今も本当に美しい、と一朝師匠。顔じゃないよなんて言うけどそんなことはない。やっぱりきれいな方がいいに決まってる。でももちろんきれいなだけじゃなくて芸がいい。そして品がある。
手放しで褒める一朝師匠。すごいなぁ、みんなに好かれているんだろうなぁ、橘之助師匠。

市馬師匠 入門時期が同じぐらいだから一緒に修業をしたと市馬師匠。
もうとにかくこの美貌ですから。そしてきれいな女性はいるものだけど、この人には品がある。品っていうのは持って生まれたもので後からどうにかしてつけようとしてもつくものじゃない。
そしてとても努力家。橘之助という大きな名前を彼女がまたもっと大きくしてくれるだろう、と心のこもった言葉。

歌司師匠 私は師匠のところを72回ほど破門になりかかりましたけど、彼女は一度もない。本当に師匠のお気に入りでした。なにせ私たち弟子はみな師匠のところに「弟子にしてください」とお願いにいったけど、彼女だけは師匠の方から「弟子になってください」ってお願いされたんですから。
名前にはあまりこだわりのなかったあの師匠が橘之助という名前を小円歌さんに継がせたがった。これは大変なこと。
彼女は美貌はもちろんだけどとても努力家。この人のことを楽屋で悪く言う人は一人もいない。

みんなが手放しで褒めて心から応援していることが伝わってきて、じーんとしてしまった。
司会の一朝師匠が「市馬さんの口上を聞いて、あ、やっぱり小円歌さんに惚れてたな、と確信しました」と言ったのがおかしかった。


市馬師匠「目黒のさんま」
殿様が似合うなぁ。わがままだけど家来のことをちゃんと思う殿様の姿が浮かび上がってくる。

楽しいなぁ。この噺、大好き。さんまが食べたくなる!


橘之助師匠 浮世節
師匠でいいのか先生の方がいいのか呼び方がわからない。
いやぁもうほんとに美しい。なのに全く気取ったところがなくてさばさばしていて庶民的。庶民的だけど品があるんだよなぁ…。
いつもの三味線漫談じゃなくて、浮世節とか「たぬき」とかものすごーーーく難易度が高いものに挑戦していて、歌司師匠が言っていた「努力家」という言葉がうなづける。
とくに「たぬき」の超絶難しそうなことといったら!どれだけ練習したんだろう。名前を継ぐということはこういう変態的に難しいものにも挑戦しないといけないってことなのか。すごいなぁー。
緊張しているのが見ていてわかるんだけど、きっと回を重ねるごとに楽しくなってくるんじゃないかな、と思う。
お披露目、もう何回か行きたいけど、どうやら私は圓歌一門に苦手な噺家さんが多いみたいなんだな…。