りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

コンビニ人間

 

コンビニ人間

コンビニ人間

 

 ★★★★

36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は恥ずかしいと突きつけられるが…。「普通」とは何か?現代の実存を軽やかに問う衝撃作。第155回芥川賞受賞。 

普通って何?そんなに普通じゃなきゃいけないの?という思いを抱きつつも、わが子に自分が「人間的」と理解している部分が欠落していたら悩むだろうなぁとも思う。

自分が普通ではないと気づき、どうにか普通に見えるようにふるまおうとする主人公が哀れでもあり空恐ろしくもあり。

残酷なふるまいをする人間を見た時、その理由を親の愛情不足とか虐待とかにこじつけようとしてしまうのは、あくまでも自分が安全な位置にいたいからなのだろうか。

底知れぬ恐ろしさと、でもなんかぷっと笑ってしまうユーモアのある作品だった。