りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

池袋演芸場2月上席昼の部

2/4(土)、池袋演芸場2月上席昼の部に行ってきた。


・たま平「牛ほめ」
・ひろ木「読書の時間」
・金朝「狸の鯉」
ロケット団 漫才
・小せん「野ざらし」
・百栄 漫談
・ぺー 漫談
・菊春「親子酒」
・金時「宮戸川(上)」
・正楽 紙切り
・志ん輔「紙入れ」
~仲入り~
・金也「普段の袴」
・歌司「長短」
・小円歌 三味線漫談
・金馬「藪入り」 

たま平さん「牛ほめ」
うまいんだけどちょっといろいろやろうとしすぎな気がする。せっかくの噺の面白さが薄れちゃうし、今は前座なんだから素直に落語をやったほうがいいのでは。
ってあたしもうるさいじじいみたいになってきた。

小せん師匠「野ざらし」
小三治師匠の「野ざらし」が好きすぎて、誰のを見ても満足できないんだけど、小せん師匠の「野ざらし」よかった。すごく伸びやかで楽しい。
糸を伸ばしたり竿を放つしぐさがとてもきれいで見てきて気持ちよかった。


百栄師匠 漫談
何度か聞いたことがある「いつもの」漫談なんだけど、楽しいなぁ。
最後におしゃべりな奥さんと寡黙な旦那さんがスピード違反で捕まる小噺をやったんだけど、これも何回か見ているけど、最高に面白い。
漫談家」を名乗る人の漫談は面白かったためしがないのに…。


歌司師匠「長短」
おお、脚が治ったんだ。よかった。
すごく楽しかった!長さんも短さんも全然無理がなくて歌司師匠そのもの、みたいな感じでとっても自然。
長さんがにや~っと笑うのがとてもかわいかった。


小円歌先生 三味線漫談
もうほんとにぱきっときれいで明るくて楽しい。ぱーっと舞台が華やかになって会場全体もあたたまる。最高の膝代わりだよなぁ…。


金馬師匠「藪入り」
私が小さいときは大学に行く人などいなかった。町内で何名か高校まで行く人はいたけれど、大学に行ってる人は一人も知らない。
学校に行かないでどうしたかといったら奉公に行った。
自分も小学校を卒業してすぐ先代のところへ弟子入りした。本当は中学に行きたかったけど中学の方で私をいらないというものだから仕方なかった。
よく、そんなに小さいうちから奉公してかわいそうと言う人がいるけどそんなことはない。
ご飯を食べて「まずい」と言うのは、「うまい」を知っている人。「うまい」を知らなければ「まずい」ということ自体がわからない。
それと同じで、修業がつらかったとしても、子どものうちはそれ以外を知らないから「こういうものだ」と思って受け入れることができる。
だから小さいうちに奉公に行くのがかわいそうということはない。

とはいうものの、やはりまだ子供だから両親と離れなければならないのはつらい。
昔はまったくお休みがもらえなかった。
それも3年ぐらいは「里心がつくから」と言って家に帰らせてもらえなかった。
だから初めての藪入りは親も子もそれはもう楽しみにしていたもので。

そんなまくらからの「藪入り」。
亀が帰ってきたらあれを食わせてやろう、これを食わせてやろう、あそこに連れて行こう、ここに連れて行こう…妄想が止まらないくまさん。何度もおかみさんに「今何時だ?」と聞く。
5時になったと聞いて表に駆け出して行って掃除をしていて近所の人に声をかけられると、喧嘩を売ってるような受け答え。亀ちゃんが帰ってくるのが楽しみすぎてそんなふうになってしまっているのが自然に伝わってくる。

ようやく帰ってきた亀ちゃんが大人びた挨拶をすると顔をあげることもできず顔を見ることもできないくまさん。
具合が悪くなった時に亀ちゃんからの手紙をもらってすっかり具合がよくなったこと。それ以来風邪を引くと薬代わりに手紙を取り出していること。
子どものようなくまさんの親心にじーんときて泣いてしまった。

財布に入っていたお金のことで誤解をして短気を起こして亀ちゃんが泣きながら訴えるところも、すごくさっぱりしていて子どもらしくて…それを聞いてけろっと気持ちがかわるくまさんがまたよくて…。

すごく自然でぽかぽかあたたかい「藪入り」だった。金馬師匠、ほんとに素敵。