りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

小んぶにだっこ

1/9(月)、小んぶにだっこに行って来た。
前々回が小んぶさん急病のため中止、前回他の落語と当たっていたため欠席で、久しぶりの小んぶにだっこ。
はりきりすぎてえらい早い時間に上野広小路に着いてしまい、一時間ほどタリーズで時間をつぶす羽目に。
最近ほんとによく時間を間違えるし見積もりを間違える…。年のせいかのう…しょぼしょぼ。

・小んぶ「寝床」
~仲入り~
・小んぶ「実録桃太郎(?)」
・小んぶ「禁酒番屋


小んぶさん「寝床」
ほとんどの方とはあけましておめでとうございますですね、と小んぶさん。
お正月といえば我々の世界ではお年玉ですね。
前座の頃はうれしかったですよ。いただく方でしたから。
特にテレビに出てるような師匠はね…私も前座の時に国立でしたか、元日に小遊三師匠に挨拶したら「ほい」っていただきましてね。
次の日になったらまた小遊三師匠が私を呼びつけて「お年玉だよ」ってくれるんです。
「あ、師匠、私は昨日いただきました」というと「いいんだよ。そんなの」。
すごく優しい師匠なんですね…。
それで次の日は自分から訪ねていきましてね。「またお前かっ!」って言われたりなんかして。
で、あの頃は、自分も先輩になったらあんな風にあげたいな、と思ったんですけどね…。
そんな気持ちもニツ目5年目ぐらいまででしたね。
これ、いつまで続くのか、と。いくらの赤字なんだ、と。
そういう計算しだしたらダメですね。
ええと…。もうやめましょう、この話は。

ぶわははは。
ちょっと話しかけて、やっぱりこんな話はやめよう!と逡巡する小んぶさんがおかしかったー。

そんなまくらから「寝床」。
そういえば私が初めて小んぶさんを見た時、「寝床」だったんだ。池袋の中華料理屋さんだったっけ。
あの時と比べるとだいぶ進化?していて、爆笑の「寝床」だった。

とにかく旦那が「うぉっほん」と咳ばらいをしたり「あ、あーー。おえーー」とのど慣らしをしたりが激しい。
そして「今日の私は絶好調だ」のつぶやき。

最初の旦那のご機嫌ぶりとテンションの高さが、繁蔵から話を聞くにつれどんどんテンションが下がって行くんだけど、それと同時に小んぶさんのテンションも下がっていったのが面白いような残念なような…。
そういう意味では最初飛ばしすぎになっちゃってたのかもしれない。

お豆腐屋さんが来られない言い訳に、銀杏の薄皮を剥くむずかしさを力説したのはおかしかった。
あれはどうやっても剥くのが難しい。そしてくさい。
でもずっと剥き続けているとそのうち臭さが気にならなくなってきて感じなくなってくる。
で、手を洗って、ふと手を匂って「くさい」と気づく時には2周ぐらいまわっていい思い出になっているって。
いかにも小んぶさんらしい変な理屈で笑った笑った。

言い訳をし続けているうちに繁蔵も投げやりになってきて「よしどんは屋根から落ちて死にました」
それを聞いた旦那も「ああ、そうか」。
スルーかよっ!(笑)

気を悪くして部屋にこもった旦那のところへ番頭がやってきたときに、旦那が「やっときたか。おそい」とつぶやいたのがおかしい。
何度も旦那を説得しようとしてあきらめかける番頭に旦那が「お前はなぜそこで諦める。でしょうけれども、を使えないのか。商売でもなんでもそうだよ。」。
そして「やりませんよ」と言ったあとに、ほらここだよと言わんばかりに目で合図するのがおかしい~。

集められた人たちが「ああ、今年もここまでか」「逃げ切れなかったな」と言いあいながら「でもあきらめちゃいけない。こうやって抵抗し続けていればいずれは革命を起こすことができる」と言ったのもおかしい。

とにかくすさまじくて大爆笑の「寝床」だった。
 
小んぶさん「実録桃太郎(?)」
毎回楽しみな小んぶさんの新作。
セオリーとかそういうの一切無視というか、ほんとに体当たりで作ってきた、っていう新作で、すごく小んぶさんらしくて面白い。
ご本人曰く、前回披露した新作は我ながら会心の作だったらしいのだけれど、今回は最初から「だめですね」と。そういってやり始めるって…シュール!

おとうさんが息子に実録桃太郎を聞かせてやるという話。
おじいさんは山に芝刈りには行かず暇つぶしに出かけ、おばあさんも川に洗濯にはいかず暇つぶしに出かけ、駅のコインロッカーから赤ん坊の泣き声が聞こえてきたので開けてみると中には赤ちゃん。
その子を「コインロッカー太郎」と名付けて育てる。
コインロッカー太郎が大きくなって鬼退治に出かけようとする…というと話を聞かされていた子どもが「お、おに?実録はどうなっちゃた?」。「いやまぁまて。そこはあとで」
きびだんごじゃなくコンビニのレジに並んでいてつい買ってしまったみたらし団子を持って歩いていると犬が声をかけてきて。「そこ…しゃべっちゃう?犬?実録は…?」
確かにこれは傑作ではないな(笑)という新作ではあったけれど、ちょいちょい入る小んぶさんらしい疑問の声がなんか面白かった。

小んぶさん「禁酒番屋
一席目の「寝床」と違って真っ当な「禁酒番屋」。
弾けた小んぶさんもいいけど、きちんとやる小んぶさんもいいな。
酒を飲んで気をよくした番屋の役人が「おお、酒屋、来たか」と嬉しそうな顔をするのが面白い。
小んぶさんの大胆さと繊細さが入り混じった「禁酒番屋」でとてもよかった。