りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

図書館大戦争

図書館大戦争

図書館大戦争

★★★★

秘密の力を持つ7つの本をめぐり、図書館・読書室の暗闘がはじまる。

叔父の遺産を処分するため、青年アレクセイはウクライナからロシアに向かう。そこで出会ったのは、亡き叔父を司書とする「シローニン読書室」の面々だった。
忘れられた社会主義時代の作家グロモフの7つの本(「記憶」「力」「喜び」「忍耐」「権力」「憤怒」「意味」)。恐るべき力を秘めたこれらの本を、「図書館」・「読書室」が血で血を洗う決闘によって奪い合う。
知略に富んだ慈悲深きマルガリータ、鎖分銅の使い手チモフェイ、長剣の名手ターニャ、ルーブル硬貨で鎧を仕立てるグリーシャ……。古強者揃いのシローニン読書室は、やがて強大な「図書館」との抗争に巻き込まれていく。
ソ連崩壊後の世界に生きるひとびとを活写した驚異のスプラッターノヴェルとして、賛否両論ありながらロシアブッカー賞を受賞した問題作、ついに邦訳なる! ! !

久しぶりのなんじゃこりゃ本。
作者はウクライナ人。ソ連ってほんととんでもないわ…。ってもうソ連はないけど。こんな想像力を持った人たちにとてもかなうはずがない…と軟弱な私は思ってしまう。

出版当初からそれほど評価もされず作者が死んで忘れ去られていたグロモフという作家の書いた7冊の本。実はこの本には恐ろしい力が隠されていて、それに気づいた人々が「図書館」「読書室」を組織し、本をめぐって血で血を洗う戦争を繰り広げる。

「読書室」の司書であった叔父が亡くなり叔父の残したアパートを売って金を得ようとして、ロシアに向かった青年アレクセイ。
叔父の所蔵する本を奪おうとする他の読書室の攻撃を受け、わけがわからないうちに「図書館戦争」に巻き込まれていく。

アレクセイが図書室のメンバーと一緒に戦っているうちに徐々に司書らしくなっていくあたりは大変面白かったのだが、後半は疾走し過ぎて失速してしまった感が…。
勢いよく読み終わったものの、おいてけぼりを食った感じは否めず。私にはあんまり合わなかったかな。
私があまりにも人がバンバン殺されていくのにちょっと腰が引けてしまったというのもあるかもしれない。

しかしなんだなー、頭おかしいな。ソローキンといい、この作者といい。
自分で積み上げた世界を徹底的に破壊し尽くさないときがすまないのだろうか。
でも面白かった。なんだこれ。