さん助ドッポ
9/28(水)、お江戸両国亭で行われた「さん助ドッポ」に行ってきた。
・さん助「三人旅(通し)発端~びっこ馬~鶴屋善兵衛~
・さん助「芸者 小蝶(西海屋騒動より)」
さん助師匠「三人旅(通し)」
二ツ目のころ、この会場で自分の会をやっていたさん助師匠。
真打が決まっていったん終了とした。
その後、会はやらないのか?と聞かれたり、声をかけていただくこともあったけど、「寄席でトリをとるまでは…」と答えて逃げていた。
そうしたらまさかと思っていたトリを真打になってすぐにとらせていただいてしまい、もう言い訳も通用しなくなってきた。
そこでこの会を自分で開くことにした、と。
真打になるとみんな大きな会場をとってゲストを呼んで大ネタをやる会を開く人が多いけど、自分はそういうのはしたくない。やるなら毎月ひっそりやりたい。
…なんだろうなぁ、そのこだわりは。わかったようなわからないような。でもそのめんどくさいところがさん助師匠らしいといえばらしいけど。
そんなまくらから「三人旅」。
この噺ちゃんと通しで聞いたことがない。というよりそもそも「
これをかなり刈り込んで通しでやられたんだけど、面白かった!
無尽に当た
聞けば「うちは先祖代々貧乏なんだ。
俺は人の金を使うことに長けてるんだとえばる八は最初は吉原を貸
一人遅れた文公はびっこをひいた馬に乗せられていて一人ひどい目
田舎の風景が浮かんできてすごくいい!
その後、馬子に勧められた宿を3人で探すのだが、3人とも字が読めないので見つけられず、ああしようこうしようとおバカな案を考え出したりするのがまたおかしい。
これをうまいこと言って文公に押しつけて、次の朝…。
さん助師匠「芸者 小蝶(西海屋騒動より)」
柳家の原点ともいうべき初代談洲楼燕枝の噺をこれから続き物でや
圓朝物はやられる人もたくさんいるけど談洲楼燕枝の噺はやられて
だけど本はかなり残っている。
これはやってやろうじゃないか!と思ったのだが、
面白くない…。だけならまだいいんだけど…ええと…
今日この噺を聞いて、明日も仕事がんばるぞー!
なんだかなぁというもやもやした気持ちを抱えて帰ることになりま
でもやるんです!
そして今日申し上げる噺はものすごい分厚い物語のほんとのはじめ
これから毎回少しずつやっていきますけど最後まで聞ける人はいな
いやもうこれが。
検索しても何も出てこないから、
「親分」と呼ばれ頼りにされているのだが、
聞いてみれば泣いている男は金次郎
それで隣で泣いている金次郎も連れてきて話を聞いてみると…
そのうち持ち金も尽きどうしようと考え、小蝶が「
その金をもとにまた旅を続け花生の主人には恩義があるとかで
いつまででもいていいと主人が言うと小蝶はここでもまた芸者とし
毎晩通っているうちにある日権次が小蝶を連れて行ってしまった。
すぐに帰ると言ったのに帰ってこないので金次郎が心配になっ
そんな日々が続きいったいどうしたことかと思っているとある日床
それによれば権次が小蝶をかどわかして自分の女房にしようとし
それを宿屋の主人に告げると、権次というのは町役人ともつながっていてかなう相手ではないか
話を聞いた花五郎が金次郎に「
だったら助けてやろうと権次のところを作蔵と二人で訪ねて
花五郎が「情けねぇことしやがって」と言うと、確かに最初は無理やり連れて来たけれど、今では小蝶は自分に夢中でお互いに惚れあってる、と言う権次。
言い争っていると小蝶が「うるさくて寝ていられないよ」と出てきたのだがこれが匂い立つような色気がある女。
その小蝶が花五郎に向かって「金次郎なんていう男は知らない。自分を助けにも来てくれない、小遣いだけもらって帰って行くような男は見限った」と言う。
それを聞いた花五郎は「確かに金次郎は情けない男かもしれないが、夫婦の杯をかわしたからにはそっちの筋を通せ」と言う。
そして作蔵に小蝶を花生まで連れて帰れと言い、作蔵は小蝶を抱きかかえて出て行く。
権次が刀を持って花五郎に襲いかかろうとすると余裕でかわした花五郎は、逆に権次を拳固でぐりぐりやって(!)半殺しにしてしまう。
花生で再会した金次郎にも「あたしは権次の奥さんになった」と言う小蝶。
確かに最初は嫌だったし逃げたかった。でも金次郎が助けに来てくれないし、毎晩まくらをかわすうちに心は嫌でも身体が権次の方がよくなってしまったのだ、と。
そこで金次郎がキレて襲いかかると、逆に嬉しそうな小蝶。「おまえも男だったんだね」。
そして小蝶を殺した金次郎を花五郎が殺す、というところで、この「発端」は終わり。(うろおぼえなので間違ってるところもあるかも)
いやぁ。私はそもそも任侠ものというのに興味がなく知識もないのでなにがなんだかわからなくて正直最初から最後まであっけにとられてポカーンと見ていた。
原作がそうだからしょうがないんだけど、でも小蝶がもう権次の方がいいって言ってるんだから放っておけばいいじゃんーと思ったり、そのくせ金次郎に斬られて小蝶が喜ぶっていうのもなんだよーと思ったり、いろいろ納得いかなーい。
あと小蝶が「心は嫌でも身体がよくなった」って言うのがいやー。悪だけど自分に心底惚れてる権次の方が好きになった、でいいじゃんよー。
いやそれにしてもさん助師匠がこういう噺を選んでこれから続き物で
聞いてる方も結構大変だったからやる方はもっと大変なんだろうな
次回は10/17(月)。さん助ドッポ
・11/28(月)、12/26(月)と、今後の予定が発表されているのもありがたい!
受付でいただいたキャンディ。会をお手伝いされているUNA gallery様が用意されたみたい。心がこもってるなぁ。