りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

第2回鯉丸と音助

9/5(月)、らくごカフェで行われた『第2回「鯉丸と音助」』に行ってきた。

・音助「浮世床(将棋、碁、本)」
・鯉丸「かぼちゃや」
・南なん「猫の災難」
~仲入り~
・鯉丸「野ざらし」
・音助「明烏

音助さん「浮世床(将棋、碁、本)」
第二回目のこの会。
なぜ二回目にゲストを呼ぶことにしたのかといえば、一回目はまだ会自体がどういう趣旨になるのかはっきりしなくて自分たちもふわふわしている。だからゲストを呼ぶような状態ではなかった。
あと一回目はお客さんも行ってみようという気になるけど二回目になると「ま、いいかな」となりがちなのでここでぐっとひきつけなければというのがあった
で、ゲストは誰にしようか、自分たちが好きな人に来てもらおうということになり、迷うことなく南なん師匠を招くことに。
前座時代、入ってきただけで怖くて身体がビクっとしてしまう師匠もいたけれど南なん師匠は本当に僕ら前座にとって「癒し」。
入ってきたら思わず前のめりになって近づきたくなっちゃう。何をするか見ていたい。そんな存在でした、と。

そこまでぶっちゃけますかという内容に笑ってしまった。音助さんって前座時代はとにかくソツがない優等生な印象があったけど、ニツ目になって「ああ、こういう人だったのか」というのが表に出てきてそれが面白い。

長いまくらから「浮世床」。
これがなんだろう。なんかあんまり音助さんらしくないっていうか…誰に教わったんだろう?と気になってくるようなちょっと壊れた「浮世床」で。
特に本のところはたどたどしいというよりはどもりが酷くて激しく速い(笑)。
違和感を覚えつつも結構笑ってしまった。


鯉丸さん「かぼちゃや」
袖で音助さんがしゃべるのを聞いていたんですけどこうやって傍で聞いていると結構失礼な奴だなって思いますね、と鯉丸さん。
ちょっと不遜な感じがするんだな、たぶん。姿が見えずに話してる内容だけ聞いてると。

この間の一回目が終わった後に二人でゲストに誰を呼びたい?誰呼んじゃう?と話していて同時に「南なん師匠!」「よし!じゃお願いしよう!」というような明らかに夜中のテンションで決めた今回のゲスト。
そのままのテンションで次の日寄席に出ている南なん師匠を訪ねて行ってお願いすると快諾していただき、よっしゃ!と大喜び。
3日ほどたって「これは大変なことをしてしまったのではないだろうか」と我に返って青ざめた。

前座時代はよく見ていたけれど二ツ目になってからそれほど見ていなかった鯉丸さん。
鯉八さんとの会では結構無口だった印象があるのでまくらをしゃべる鯉丸さんにちょっと驚いた。丸ちゃん頑張ってる!ってあたしは何者や。

そんなまくらから「かぼちゃや」。
前座時代より滑舌がよくなってる気がする。
そして前はこんなにゆったりやっていなかったような…。
与太郎さんは鯉丸さんには合ってる気がするな。


南なん師匠「猫の災難」
今はこういう小さな会場があっていいですね、と南なん師匠。
20名も入れば満員なんですから。いいですよ。
私もニツ目になったとき、むさしさんと二人で会をやったことがありました。
早稲田の店で。2月でね。そうしたらその日雪が降っちゃった。
来てくれたのは知り合いが2名。こちらも2名だから「あいこ」です。
この会、これが2回目ってことですけど。続けるといいです。続けることが大切です。私のその会はそれっきりになりました。

そんなまくらから「あーせっかくの休みなのになぁ…」となんと「猫の災難」へ。
南なん師匠の「猫の災難」は初めて!うれしい!

一文無しでお酒も飲めなくて「せっかくの休みなのになぁ」とぼやいているくまさん。
そこへ通りかかった隣のおばさんから猫のお見舞いの鯛の頭と尻尾をもらってごきげん。
そこへ兄貴分が訪ねてきて一緒に飲もう、懐があったかいから酒は俺が買ってくるよ、と言われて「ほんと?ありがてぇなぁ」とうれしいくまさん。
ざるでお腹のところ(何もない)を隠した頭と尻尾だけの鯛を見て大喜びの兄貴に「猫のおあまり」と言えず「あ、ああ、それね…。」ともごもご。
酒を買ってくる!と張り切って出かけた兄貴を見送ってすぐに「さてどうしよう」。
すぐに心配しだすところに気が弱くいくまさんがあらわれている。
猫のせいにするしかしょうがない。それしかない。決めた!と決めるのがなんともいえずかわいらしい。
帰ってきた兄貴に猫が鯛を持って行っちゃったといって言い訳するところもいちいちばかばかしくておかしい。

兄貴が酒を置いて鯛を買いに行ったあと、お酒を飲み始めるとほんとにほんとにうれしそう。見てるとこっちも飲みたくなっちゃう。
鯛をどうしようと心配してるのに飲んでいるとどんどん気が大きくなっていくのがすごく楽しい。
「あー今日はいい休日だー」っていうのが最初の「あーせっかくの休みなのに」と対になっていて、見ているこちらも「よかったねぇ」という気持ちに。

最初から最後までとってもチャーミングな「猫の災難」だった。
大好きな噺を大好きな師匠で聴ける幸せ…。
鯉丸さん、音助さん、南なん師匠をゲストに呼んでくれてありがとう!


音助さん「明烏
別の会で音助さんが「明烏」をやったというのを見て、合うだろうなぁと思っていたけれど、とてもよかった。
若旦那と源兵衛、太助の対比がはっきりしていてテンポがよくて見ていて気持ちがいい。
音助さんは芸がきれいなところが好きなんだけどきれいなだけじゃなく引いてる冷静に見ている部分があるからそこがいいな。