りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

三の隣は五号室

 

三の隣は五号室

三の隣は五号室

 

★★★★

傷心のOLがいた。秘密を抱えた男がいた。病を得た伴侶が、異国の者が、単身赴任者が、どら息子が、居候が、苦学生が、ここにいた。―そして全員が去った。それぞれの跡形を残して。

 テレビ番組や小道具(レバー式の蛇口とか水圧の弱いシャワーとか物干し竿にかける自作のアンテナとこ)で時代の空気をダイレクトに伝えてくる。

すごいなー。
だからなに?というようなとりとめもないストーリーの積み重ねなのだが、それぞれの抱えている寂しさとか心の隙間のようなものが見え隠れしてくる。

なかなかの策士よのう…という感じだがあざとすぎないところが好き。
今読書不調なのでそこまで乗りきれなかったけど面白かった。