★★★
夏の夜更け、町中をさまよう人びとが交叉し、屋根裏部屋の人形たちが目を覚ます…作家の神髄が凝縮された小宇宙!
大人になれない男、彼を見守り続ける老女、恋に恋する少女、マネキン、マネキンに恋する男、月に呼ばれる少女、不良に憧れる不良になれない少年、少女たちのギャング団。
夜の魔法にかかったひとたちが何かに導かれるように家を飛び出して夜の街をさ迷う。不思議と懐かしく馴染みのある感じがしたのは、私自身も夜の持つ魔法にかかったせいなのだろうか。
ミルハウザーらしいといえばらしいし、物足りないといえば少し物足りない。