彼女に関する十二章
★★★★
「50歳になっても、人生はいちいち驚くことばっかり」
息子は巣立ち、夫と二人の暮らしに戻った主婦の聖子が、
ふとしたことで読み始めた60年前の「女性論」。
一見古めかしい昭和の文士の随筆と、
聖子の日々の出来事は不思議と響き合って……
どうしたって違う、これまでとこれから――
更年期世代の感慨と、思いがけない新たな出会い。
上質のユーモアが心地よい、ミドルエイジ応援小説
ジャスト同世代なんだけど「わかるわかる」という部分と「いやでもそこはちょっと違うわ」という部分があって、それがまたゆるりと楽しい。
なんでもすぐに体当たりしてしまう私には、ひょいひょいとかわしていく聖子が自分よりずっとおとなに思えてちょっとまぶしかったり…。
最初は時代遅れに思えた随筆「女性に関する十二章」が自分の毎日と不思議とシンクロして心の中にちょっとした波風をたてる。
こういう暮らしぶり、なんかあこがれる。楽しかった。