りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

花いちの観笑地帯Vol.16

7/14(木)新宿ベースポイントで行われた「花いちの観笑地帯Vol.16」に行ってきた。
前から深夜寄席やせめ達磨で見て気になっていた花いちさん。
西新宿でネタ卸しの会があることを知ってその日に予約を入れて行ってみたんだけど、歩いている途中で集中豪雨に遭い靴の中までびっしょびしょ。会場に行くと感じのいい女性が受付をされていて、飲み物はお代わり自由ですからいくらでも飲んでくださいと言っていただき癒される。アットホームでいいなぁ。

・花いち トーク
・ふう丈「道灌」
・花いち「?」(ネタ卸しの新作)
~仲入り~
・花いち「酢豆腐

花いちさん トーク
今日の助演、ふう丈さんのことを紹介する花いちさん。
とにかく声が大きくて明るい。前座の時も「兄さん、今日は何の噺をやるんですか?」と、これぐらい(近い!)顔を近づけて聞いてくる。圧がすごい。
「落語界のビリケンさんです」そういうと、後ろに控えていたふう丈さんが「兄さんっ!あたしの唯一のネタを!やめてください!」
「あ、そっか。ごめんごめん。さっき出てくる時も、兄さん余計なこと言わないでくださいよって言われてたんだった。ふふふ。」

うーん、楽しい。
花いちさんは、せめ達磨や深夜寄席で見て「なんか好きかも」と思っていて、今回ようやく会に来たんだけど、ゆるっとした人柄がとっても素敵。

ふう丈さん「道灌」
こんな雨の中大勢来てくださってありがとうございます、とふう丈さん。
すごいですね、この大雨。ここに向かって歩きながら引き返したいなって思われたでしょうに、こんなに大勢来てくださるなんて…あにさんはすごいですね。
みなさん、びしょびしょになったでしょう。
なかでも一番びしょびしょだったのが兄さんですね。スーツケースとカバンを両手に持って全身ぬれねずみで…先輩なので私がこう言ったらなんですけど…絵に描いたようなダメな人でしたね、ほんとに。あ、そこにいるのはダメ人間だ!って指さしたくなるぐらいのダメぶりでしたね。

ここまで聞いていただいてみなさんうすうす感じてるかもしれませんが、私声が大きいです。
私の師匠が三遊亭圓丈といいまして声が大きくて有名なんですが、私師匠の前で落語やって「ばかやろう!!お前は声が大きいよっ!!」って怒られましたから。
そのあと師匠がしんみりと「お前は戦場で落語をやれ」って言ってました。

ふう丈さん、花いちさんに「新作じゃなく古典やって」ときつく言われてたらしく、そこまで言われたら古典やりますけど、私これほぼネタ卸しに近いです。なのでかなりふわっとしています、すみません。
そんなまくらから「道灌」。
歌のくだりでは小野小町の雨乞いなどの話も入って結構たっぷりバージョン。
「道灌」はそれほど面白い噺ではないけれど私は大好き。隠居とハチの会話のざっかけなさが好きなのかな。ゲラゲラは笑えないけどクスっと笑えるところも楽しい。
ふう丈さんはメリハリがあって明るく元気な「道灌」でこれもまた楽しい。
ところどころに入る新作派らしいクスグリも楽しかった~。ふう丈さん好きだ~。

花いちさん「?」(新作)
緑君あにさんとはほんとに仲よくしてもらってるんですが、最近あにさんは悩んでいまして、と花いちさん。
なんでもファッションセンスがないと師匠に言われ悩んでいるらしい。
花いちさんはとっくにあきらめられているらしいのだが、緑君さんのことはまだあきらめてない師匠。自分のおさがりを緑君にあげているらしい。
この間楽屋に入ったら師匠が緑君さんをじーっと見て「お前、なんだよその恰好」といったらしい。
見れば、茶色いシャツに黒いパンツといういで立ちだったのだがもとをただせば両方とも師匠のおさがり。あにさんにしてみれば「師匠からいただいた服を着ていてなぜ怒られなければならない?!」という気持ちだったんでしょうが、師匠は「お前、その組み合わせはないぞ。はっきり言ってそれじゃ…うん○だよ」と。
あにさん反省したらしく次の日は、ブルーのシャツに白いジャケット、みたいな明るい配色の服を着てきたんですけど、「あにさんそれは違うんじゃないですか」と。
イチローはピンクのシャツを着て球場に行ったらチームメイトに指さして笑われた。その次の日はもっと濃いピンクのシャツを着ていって「さすがイチローだ。信念を曲げない」と言われた。
あにさんもうん○と怒られたのだったらもっとうん○色の服を着て行って主張しないと!
「でもあれ以上の色はないよ」というあにさん。
「だったら肩にうん○を載せていくとか」
「お前…たんにネタにしてるだけだろっ!」

そんなまくらから出来立てホヤホヤの新作。
仲良しの鈴木さんと吉田さんが喫茶店で互いの家族の愚痴を言い合う。
36歳の息子が家でずっとゲームをしていると愚痴る鈴木さん。
いっさい家事は手伝わない、それどころか魔法少女○○に夢中でそのフィギュアを肩に乗せてディズニーランドに「デート」に行くほど。
いやになっちゃう、こわいでしょ?怖いと思って、と言いながら、息子が魔法をかけてくると「きゃー」と言って倒れて見せる鈴木さん。
一方吉田さんの息子は会社勤めをして奥さん子供もいていいわねーと鈴木さんが言うと「それがそうでもないのよ」と吉田さん。
嫁の愚痴をこぼしだす。
あたしより遅く起きるからイライラするというのだが聞けば4時起きしている吉田さん。3時半っていったら真夜中よ!!とすかさず突っ込む鈴木さん。
孫におもちゃを買ってやっても喜ばない、と吉田さん。
聞けばデンデン太鼓やウォーターゲーム。
「ウォーターゲームって!指の力加減だけで遊ぶゲーム!」

なんかいちいちおかしい。
グーチョキパーの手遊びをして遊んであげたというのだが、「チョキとチョキで骨上げ」「グーとパーで魂」って…。
もうこのセンスなんなの!面白すぎる。
楽しかった~。

花いちさん「酢豆腐
最初は寄合酒か?と思いながら聞いていたんだけど、途中で腐った豆腐が出てきて、おお、これは酢豆腐か、と。
最近「酢豆腐」をよく見るようになった気がする。

若旦那がとにかく面白い。それにツッコミを入れる若い衆との対話の楽しさ。
笑った笑った。
次回もまた行きたいな。