りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

柳家小三治独演会 調布市グリーンホール大ホール

5/12(木)、調布市グリーンホール大ホールで行われた柳家小三治独演会に行ってきた。

・小かじ「出来心」
小三治「宗論」
~仲入り~
小三治「青菜」

小三治師匠「宗論」
「今出た者は」と小かじさんのことを語る小三治師匠。
「あの者の落語を見て、ああ、落語って難しいものだなぁとお感じになったお客様もいらっしゃるんじゃないでしょうか」。
うーん。確かに。
小かじさんずいぶん上手になったし三三師匠の落語にも似た端正さもにじみではじめているけど、何かまだ少し物足りなさが…。
「あの者は入門してだいたい3年。最初の頃はほんとに教わったまんまやってましたけどあれでずいぶん…でもまぁやっぱり教わったまんまやってるところも…。あとあれですね。高座をおりてもお客様が自分を見ているっていうことに意識がいってない。あそこに座ってまだ入ってきてるお客様がいないか、ざわつきが納まったかを見てる間、こうやって帯を直しましたね。あれは柔道部出身で、なんかの折にああやって帯をぎゅっとね…やるんですね」

うひょー。公開小言?
小三治師匠に小言言われたら震え上がるなぁ。
が、がんばれ、小かじさん。
でもこれから先あの者がどんなふうになっていくか見守ってもらいたい、と言っていたから…。きっと二ツ目昇進が決まった小かじさんへのエールだったのかもしれない。

陰陽のまくらだったので、「小言念仏だな」と思っているとなんと「宗論」!びっくり。
ちょっと途中であやふやになったりしてドキドキするところもあったけど、まさかの「宗論」にヒデキカンゲキ(古)。
キリスト教にかぶれた若旦那がおかしなイントネーションで教えを説いたり歌うのがばかばかしくも楽しい~。

小三治師匠「青菜」
さきほどの噺は「宗論」といいましてやったのは何年ぶりでしょうか。本当に久しぶりです。まさか自分でもやるつもりはなかったのでびっくりしました、と小三治師匠。
ですよね…。あきらかあれは「小言念仏」に入る流れだったもんね。どういう心境の変化があったんだろう。会場が「

あ、小言念仏だ」となって悔しかったんじゃないかな。
とにかく頭が悪くなって困ります。ここだけの話ですけど落語もやってる途中でぱっとなくなっちゃうことがあって。
前はそういうことは一切言わなかったから最近これはそうなんだって自分でも認めたのかなぁ。そう思うと少し切ない。

自分は一応事務所っていうのがあってホームページもあるんだけどちゃんとしてなくてそこで困るのは「どの会に出るか教えてください」という問い合わせ。
いやほんとにそれが一目でわかるようにしてくれたらどんなに助かるかと思うんだよ。からわ版に出てもその時にはもうチケットが間に合わないってことも多いし…。
で、この間そのホームページか留守電かに(どっちも小三治師匠にとったら同じようなものなのがおかしい)問い合わせがあったんだけどそれに「歌丸師匠が笑点の司会をやめますが次は小三治師匠ですか?」。
これには驚いた。いったいどういう人がこういうことを聞いてくるんでしょうね。少なくとも私のことを知らない人ですね。
…確かに。小三治師匠の会に来てる人なら小三治師匠が笑点の司会をやるはずがないってことは分かるよなぁ。
「それよりもなによりも、落語っていうのは笑点っていう中に入ってるって思ってる人もいるんです」
ええ、まさかー?と思うけど、でも私も落語好きって言うと必ず「笑点」って言われるからな。案外そういう認識の人も多いのかもしれない。

まくらがたっぷりだったから今日は落語はなしかなと思っていると「植木屋さん、ご精が出ますな」。
今年の夏は「青菜」をたくさん聞けそうな予感(笑)。