りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

第一回夢丸の〇〇

12/9(水)、上野広小路亭で行われた「第一回夢丸の〇〇」に行ってきた。
以前は「夢吉のバカ」という名前でやっていた独演会だが、師匠の名前を継いでその名前に「バカ」はつけられない…。悩んだ末に「〇〇」と伏字にした、と夢丸師匠。
みなさんなりの「〇〇」を考えて入れて下さい。ただしもし「〇〇」に当てはまる文字を入れなさいという試験があったら「バカ」が正解なんですが…とわざわざ言うところが面白い。

・音助「道灌」
・夢丸「だくだく」
・夢丸「親子酒」
〜仲入り〜
・夢丸「えんぜる」

夢丸師匠「だくだく」
おおっ!夢丸師匠も「だくだく」!わーーい。
絵を描くところがたっぷりで、庭にチューリップと水車、凱旋門に枯山水。「チューリップと水車であそこかなと思ったのに、凱旋門て!!」と先生が驚くのが楽しい。
どろぼうとの闘いの場面もたっぷりで、サゲも一味違っていて夢丸師匠らしくてよかった。

夢丸師匠「親子酒」
おとうさんとお酒を酌み交わせるようになったと夢丸師匠。酒を飲みながら語らいあうなんていいなぁと思っていたんだけど、実際一緒に飲んでみると二人ですぐにベロベロになり、おとうさんは1時間ぐらい飲んだ後は何を言っても「むーん」しか言わなくなる。「むーんって…月ですから」っていうのがおかしい。

そうだ。せっかく酒を飲んでるんだから今まで隠していて言えなかったことを話そうと思って話し出したのが小学生の時の「盗賊事件」。
小学生の時に友だちと遊んでいて田んぼでエッチなビデオを拾って、みんなでわくわくしながら夢丸師匠の家に行って「さあ見よう」とVHSのデッキに入れたら、バキバキっていう音がしてデッキが壊れ電源が付かなくなってしまった。 VHSのデッキ覚えてますか?あれってビデオを入れるところがこうベロンとのれんみたいでビデオを入れると「へい、らっしゃい!」ってなってるじゃないですか。
ああ、もうこのセンスがたまらなく好き。「へい、らっしゃい」って…。ぶわははは。
そこののれんからのぞくと明らかにエッチなビデオのタイトルが見えてしまう。
電源が付かないから出すこともできないし…もうどうしたらいいんだ、とみんなで話しあった結果、盗賊が入ってきてビデオを盗んで行っちゃったということにしよう、ということになり、自分たちでガムテープで口を止めたりして嘘をついた、と。

その話をしようと思って「昔、ビデオデッキがなくなったことがあったでしょ」と話し始めた途端に母親が「どうせ大方田んぼでエッチなビデオでも拾って入れたら動かなくなったんでしょ!」。
そこまでお見通しだったとは!と思いながらも最後まで話をすると、父親が「命が助かってよかった」。
話の内容理解してない!

そんなまくらから「親子酒」。
夢丸師匠の「親子酒」がおもしろくないわけがなく。明るくてバカバカしくて激しい(笑)親子酒だった。

夢丸師匠「えんぜる」
初めて聴く噺。先代の師匠の大事にしていた噺らしい。こういう噺にチャレンジしていく夢丸師匠が素敵だ。 足抜けして駆け落ちしようとした芸者と男が船で外人の赤ん坊を見つけ、店に戻って主人に話をして、二人でこの子を育てるという噺。
最初はおっかなびっくりだった男が、赤ん坊が病気をして医者を呼びに行って火事の中を命からがら戻ってきたり看病をしているうちにオヤゴコロが芽生え、別れを悲しむところにじーん…。
面白かった!