りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

百栄の赤いシリーズ 赤い焼豚

11/20(金)、らくごカフェで行われた「百栄の赤いシリーズ 赤い焼豚」に行ってきた。
この会はいつもゲストが絶妙で、この会で初めて見て好きになった噺家さんも。鯉八さんをこの会のゲストで見た時はツボにはまって笑い通しだったよなぁ…。

・百栄「素人義太夫
・吉笑「くじ悲喜」
〜仲入り〜
・トーク(百栄、吉笑)
・百栄「キッス研究会」

百栄「素人義太夫
百栄師匠は古典も新作と同じくらい面白いのが強みだよなぁ。
すごく独自に改作するわけじゃないのに、ふにゃっとしていてなんともいえないおかしさが。
旦那が義太夫の喉ならしをするだけでもう破滅的におかしい。
義太夫の場面までやらず、長屋のみんなが番頭さんに言い訳をするところまで。

吉笑さん「くじ悲喜」
百栄師匠の会にゲストで呼ばれるって嬉しいだろうなぁとハハの気持ちで見守ってしまうワタクシ。
最近は渋らくで百栄師匠とご一緒することもある、と吉笑さん。
この間の会では百栄師匠がトリだったんだけどその前に上がった松之丞さんが大熱演でお客さんもぐーーーっと集中してものすごい拍手で汗だくで下がって行って、自分だったらこの後は上がりにくいなぁ…と思っていると、ちょっと遅れて舞台袖にやってきた百栄師匠。
いつものようにふにゃっと座って「コンバンワー」と言ったら、客席がどっかん!!!
うわ、すげぇな、この空気の中、コンバンワって言っただけでこんなに笑ってもらえて一気に空気を自分の方に変えられるなんて!

そんなまくらから「くじ悲喜」。多分吉笑さんを初めて見たお客さんも大勢いただろうけど、すごくウケていた。すごいぞう!
百栄師匠の新作とは全然違ったテイストだからなんかいい組合せだなぁという感じがした。
楽しかった!

トークコーナー(百栄師匠、吉笑さん)
まくらでも言っていた渋らくのことを「あんな風に前の人がめちゃくちゃうけてたら出づらくないですか?ああいう時、俺の方がうけてやるぞ!という気持ちで上がるんですか」と尋ねる吉笑さん。 「いや…やりづらくなかったよ。自分はあんなふうにきっちりやれないからすごいなぁと思って楽屋で最後まで聞いてた」と百栄師匠。
ずっと寄席に出ているからそれこそほんとにいろんなタイプの芸人さんが自分の前に上がってそういう場数を踏んでるから多少のことでは動揺しない。
自分が今までで最高にあがりづらかったのは小三治師匠の後にあがるとき。いい時の小三治師匠はほんとにその世界にお客を連れて行ってしまうので、その後に色物を挟んでもまだお客が小三治師匠の世界に行ったっきりになっている。ほんとにやりづらくて自分がトリで上がった時「こうなったら普通にやってもだめだからちょっと奇抜なことをやろう」と思って、噺の内容に合わせて自分が虫になって退場するっていうのをやってみたら、ほんとにダメなやつが舞台から逃げて行った、みたいになっちゃって…。
あと白鳥師匠がまだ二つ目の時に自分の前に上がったら、ほんとにお客さんが「なにこれ?」みたいになっちゃって、上がってみたらお客さんが完全に不信感でいっぱいになっててその時もやりづらかった…。

若い頃はそれこそ負けたくないとかウケたいという気持ちで上がっていたけど、鈴本の社長に「お前はあんまり力まない方がいいよ」と言われたりして、いつからかこんな風なスタイルになった。
力を入れたらそれだけ面白くなるっていうわけでもないし、もう戦う気持ちでは上がってない。
ってあれ?なんでこんなにまじめに話してるんだ?と百栄師匠。
最近弟子ができたから結構そういうことを話す機会が増えて、つい話しちゃうのかもしれない、と。

いやぁこんな話を引き出してくれるなんて吉笑さん、グッジョブ!

百栄師匠「キッス研究会」
自分は学生時代野球をやっていた、と百栄師匠。それもこれももてたい一心。
スポーツがだめながらギターやったり、それもだめだと郷土研究会、これも女の子にもてたいから。って郷土研究会で女の子にキャーキャー言われるなんて聞いたことがないけど。
そんなまくらから「キッス研究会」。
いやもう気持ち悪い面白い。最高。