りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

林家きく麿独演会第十二夜『古典改作新作三つ巴の会』

10/16(金)、道楽亭で行われた「林家きく麿独演会第十二夜『古典改作新作三つ巴の会』」に行ってきた。

・「撤去します」
・「強情チャーハン」
〜仲入り〜
・「死神」

「撤去します」
三軒茶屋に住んでいるきく麿師匠。三茶にはいい飲み屋がたくさんあって、そこには必ず前歯のないおじさんがいる。そんな前歯のないおじさんと仲良くなって飲むのがとても楽しみ。前歯がないおじさんっていうのはつまり歯を治すよりも大切なものがある人ということ。お酒だったりボートレースだったり…。それがたまらない魅力。
なるほどー。そういう考え方(笑)。きく麿師匠のこういうポジティブなところが好きだわー。
楽しいまくらから「撤去します」。もうほんとにこれ大好き。撤去自転車を取りに行った時と勤務先として初出社した時の二人のおじさんの印象の違いがたまらない。
さげにつながっていくフィリピンパブのおねえさんがまた…(笑)。

「強情チャーハン」
改作ということで何の改作なのかな?と思って聞いていて、「峰の料理教室」という言葉が聞こえて大笑い。
「強情灸」ですね!でも「峰の料理教室」とは…?!
とにかくすごい料理教室に行って料理の腕が恐ろしいほど上がったと自慢する男と、それを聞いて闘志をぼ〜っと燃え上がらせる男。
料理でどう強情なのかと思ったら、贅沢な食材を贅沢に使って究極のチャーハンを作ったと自慢する男に対し、自分は冷蔵庫にある残り物でものすごくうまいチャーハンを作ってやる!と言うのである。その冷蔵庫にあった残り物が「強情」につながっていくわけで…。
強情の張り方が実にバカバカしくて素敵。
そして「強情灸」では熱い目にあった人たちの薀蓄が語られていくけれど、「強情チャーハン」ではグルメ漫画の薀蓄が語られるのだ。このマニアックさがたまらない。しかも語られる薀蓄がたいしたことないのがまた…(笑)。

「死神」
きく麿師匠が「死神」!と驚いたのだが、なんかきく麿師匠らしい独特な「死神」で面白かった。
おかみさんに罵られて家を追い出されるところは同じなのだけれど、この男はおかみさんと離縁しないのだ。なんかろくでなしな感じはそれほどしなくて、ちょっととほほな感じっていうのが面白い。
また約束を破って死神に声をかけられたときに「しまった」という顔をしたり、ろうそくだらけの部屋に連れられて行った時も、ちょっと死神のご機嫌をうかがうような様子をするのが、リアルで面白い。

新作、改作、古典とバラエティに富んで楽しい会だった。
お客さんもいっぱい入ってて、しかもきれいな女の人が多かったなぁ。