りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

立川吉笑『エンドレス・サマー・エスケイプ』収録落語会

9/15(月)、原宿・ヒミツキチオブスクラップで行われた立川吉笑『エンドレス・サマー・エスケイプ』収録落語会に行ってきた。
中川原屋監督のDVDは天どん師匠のから始まってずっと買い続けているんだけど、DVD収録の会に行くのはこれが初めて。
わーい!と思ったけど、twitterを見るとこの会で収録したものは使われなくなるっぽい?
まぁいいのよ、そんなことは。DVDを無事に発売していただければ。ふふ。

・吉笑「狸の恩返しすぎ」
・吉笑(愛がテーマの新作)
・吉笑(映像を使った新作)
〜仲入り〜
・笑坊「たらちね」
・吉笑(テーマ自由の新作)

吉笑さん「狸の恩返しすぎ」
吉笑さんのオハコなのかもしれないけど私は初めて聞いた。
楽しい!

お札になろうとすると「それは詐欺だからだめ」ときっぱり断ったりするところが面白い。
義理堅く恩返ししたがる狸に「うるうるした目で見るなよ。かわいいなぁ」とつぶやく男がおかしい。
気を付けて帰れよと別れるとその言葉への恩返し…と戻ってきてしまう狸。
落語っぽくないのに落語らしくもあって楽しいなぁ。

・吉笑さん(愛がテーマの新作)
ご隠居の家の前でため息をついてる男。
なんなか言い出さないのだが、どうやらお花ちゃんに告白してふられたらしい。
ちゃんと気持ちを伝えたかと言うと、伝えた、と言う。
押してもだめなら引いてみろというと、引いてもみた、と言う。

それじゃもうむりだなあきらめなというご隠居に、どうしても自分はお花ちゃんと付き合いたいと言い張る男。
「だったらお前、将を射んと欲すればまず馬を射よ、ということわざを知ってるか?」とご隠居。
お花ちゃんに直接言ってだめだったんだから、お花ちゃんが信頼している人の方をまず落とすことが大事、とアドバイス。
で、その馬の馬は誰なんだと言って、どんどんどんどん数珠つなぎになって行く。
いかにも吉笑さんらしくて楽しい。

・吉笑さん(映像を使った新作)
自分は偶然とかめぐりあわせを信じてる方。
そんなところから、サイコロを振って出た目を書いて提出する仕事をしている男。
でも振ってないというのが親分にはすぐばれる。
数字に9が入ってたり、横に字がつながっていたり。
こういうの面白い!!
映像が出てきただけで分かって笑いが止まらない。
本人的にはイマイチだったらしいけど見ていて楽しかった。

・笑坊さん「たらちね」
いろいろヤバイ。結構笑ったけど見てはいけないものを見てしまった感が…。

・吉笑さん(テーマ自由の新作)
このサゲが決まってなかったらしい。
人との距離の取り方がおかしい男。
親分のことを親も同然と言って心酔しすぎて、親分が転ぶと自分も痛がり、親分がおならをすると自分もどうやってごまかそうみたいな態度をとる。
お前、俺との距離が近すぎるから。
俺がここにいるとすると、俺の先まで行っちゃってるから。
そう言って距離の取り方をシチュエーションごとに検証して行く。

何かその反応がいちいちちょっとはずしていて面白い。
吉笑さんって理屈をこねくりまわす系の噺が多いのだけれど、微妙に予想を超えていくというかハズしていくところがあってそこがツボ。 楽しかった。

サゲのあたりは確かにちょっとモヤモヤしていて未完成感は否めなかったけど、面白かった。