りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

わたしたちはその赤ん坊を応援することにした

★★★★

この子の未来を応援しよう、と決めた子がわたしたちにはいた。オリンピック代表の彼女に期待し、夢を託したが―(第一話)。産む女を国家全体で支援する世界に住むスミレ。“志願母”の彼女は今日も国営のサロンへ通う(第二話)。どこかで誰かがあなたの味方。でもストレートには受けとれない、届かない、なぐさめや励まし…ビターで不思議な7つの世界。

なんとも独特の味わいの短編集。人を食ったような物語もあれば痛いところをチクチク刺すような物語もあり。あーこの作家さんはこういう作風だったっけ、と懐かしく。
というのは一時期結構読んでたけど、合わないなぁと思ってしばらく避けていたのだ。

なんかこの人の書く小説に出てくる人ってとらえどこがないというか独特の鈍さがあって読んでいてそこが少し居心地が悪い。 でもこれは面白かったな。特に「お風呂、晩ごはん、なでしこ」が良かった。